2013 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞教育指導案の批判的考察と授業モデル(方法論)の構築
Project/Area Number |
23531151
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
立原 慶一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10136369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 治志 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40143044)
虎尾 裕 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80302256)
降籏 孝 山形大学, 教育文化学部, 教授 (20302284)
長瀬 達也 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30333917)
佐藤 光輝 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50333703)
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Keywords | 美的特性の感受 / 主題の感受 / 鑑賞能力の序列化 / 鑑賞行為における知性的な方向 / 鑑賞行為における感性的な方向 |
Research Abstract |
中学生はワークシートの質問項目「形・構成」「構図」「色づかい」への回答として第一に造形的特徴、第二にそれから感受される美的特性の種類、第三に主題の直観的把握の有り様を記載する。題材実践で生徒は表現方法の特徴から数多くの美的特性を感受し、それを導き手として絵の主題を感受することが期待される。多様で豊穣な美的特性を分析するという手法によって、鑑賞能力が序列化されうる。それを前提として、有効な指導のあり方を論理化することが、可能になるのである。 題材実践研究では、最終的なねらいである主題感受へとつなぐパイプ役として、表現方法の特徴から感受される美的特性の大切さが認識された。広く美的特性を感じ取らせることが、最終課題である主題感受にとって有効である。だが、それ以上に「対比という美的秩序」の感受を促進させる指導法が、実践的方法論として確立されなければならない。 主題を感受できなかった者については、一連の鑑賞体験を通して終始、作品のあり方や表現方法にこだわっている傾向が判明した。それは芸術学・美術史分野における、学的営みの類のものと見なされる。今後、鑑賞行為における知性的な方向と感性的な方向の関係を見極め、鑑賞教育にとってそのあるべき姿を探らなければならないと思う。
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Research Products
(7 results)