2013 Fiscal Year Annual Research Report
高大接続場面における「小論文」等を契機とする文章表現の学習に関する研究
Project/Area Number |
23531156
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島田 康行 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90206178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 修 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10282287)
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Keywords | 高大接続 / 文章表現 / 国語 |
Research Abstract |
本研究は、「高大接続」の場面における文章表現の学習に焦点を当て、『小論文』等の文章表現の課題が高校生の学習の契機としてどのように機能しているのか、大学入学後の学生が文章表現にどのような問題を抱えているのかなどの問題を明らかにすることで、円滑な「高大接続」のために、高校・大学の双方でどのような文章表現の指導が求められているのかを考え、その有効な指導法の開発に示唆を得ようとするものである。 今や、全国の70%以上の大学で、教養教育の一環として、文章を初めとする国語表現の指導が行われている。このことは、大学で求められる文章表現の力が、入学までに十分に養われていないという状況をも示すものであるが、従来、大学における文章表現の指導はさまざまな専門分野の教員によって担当されてきた経緯がある。今なお、国語教育学の立場から、大学入学後に求められる文章表現力の内容やその育成の方法などを、本格的に論じようとする動きは活発とは言い難く、近年漸く活性化しつつあるところである。 本研究は、これらの課題に「高大接続」という視点を導入することで、あらたな知見の蓄積を可能にしており、この領域の研究の展開をいっそう促すものと考えられる。さらに高等学校におけるキャリア教育の一環として根付いた「高大接続」の場面を捉えて文章表現指導の機会にしようとする試みは、コミュニケーションやプレゼンテーションをはじめ、情報収集やその整理・操作など、高校生の「国語」学力のさまざまな側面の伸長のためにも大いに資するところがある。 また、そこで育成すべき内容を精選するために、大学生に求められる文章表現の能力を整理し、その育成を図るプログラムを開発を推進したことは、それ自体が大学生のキャリア支援にとっても大きな意義を持つ。「高大接続」を観点として設定する本研究は、高校と大学の両方にとって意義ある成果を提供するものとなった。
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Research Products
(7 results)