2012 Fiscal Year Research-status Report
キャリア開発・予防職業生活問題教育の日仏比較とカリキュラム再構築
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23531158
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上里 京子 群馬大学, 教育学部, 教授 (80202448)
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Keywords | フランスの教育課程 / キャリア準備教育 / 職業生活教育 |
Research Abstract |
フランスの「予防・健康・環境」科におけるキャリア開発・予防職業生活問題教育の内容と方法について、新学習指導要領の分析を通して考察した。 「予防・健康・環境」科の教育内容は、12のモジュールから編成され、モジュールごとに、知識・能力・態度育成について系統的に示されている。 職業生活教育に関するモジュールは7から12が該当し、それらは次の通りである。M7危険の予防、M8職業部門における危険の予防、M9企業における予防の規則で定めた枠組み、M10職業上の危険と予防の病態生理的影響、M11危険によるアプローチ(11.1精神的負担による病態生理的影響を決定する。11.2精神的負担に関連した危険の予防:労働によるアプローチ)、M12事故によるアプローチ(予防の過程における職業の事故分析を用いる。事実の収集、原因の枝分かれ図の構築、事故の予防の実施、関連する事故への予防の拡大) また、教授学習過程と教育方法については、社会や職業生活の具体的状況に基づく活動主義の教育方法、特に情報通信技術を利用することを重視している。第2学年では、今日的な出来事や個人的経験から生じた状況が、帰納的学習過程の出発点となり、この過程は、特に問題解決の方法論の拠り所となる。第1学年および最終学年における教育方法として、演繹的な進め方により、特に職場での職業教育期間に観察された状況分析を指導することが示されている。 以上から、この教科の目的である、①予防・健康・環境に関する知識、②健康と環境に対する責任ある行動、③市民の能力、④批判的精神の発達を目指した科学技術の教養、⑤分析過程と問題解決の過程を統合する方法論、を獲得できる科学的知識と能力目標、態度目標が具体的に示され、それらが関係づけられることによって、個人および集団的予防の主導者を確実に育成することに直結する教育内容とその構造が特徴的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画に沿って遂行できた。特に、フランスの「予防・健康・環境」科の新カリキュラムに関する文献・資料を収集し、新プログラムの一部を分析した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を推進するために、資料調査と収集、研究助言者との討論等を活発に行う予定である。また、研究成果を国内外の学会等で発表することによって、より多くの助言を得、それらを生かして研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、研究課題を追究するために教科書や教師用指導書等を前年度に続き収集し、それらにおける職業生活教育の内容と学習方法について、研究助言者との討論等を通して分析・考察する。そのために、国内外の調査研究旅費を活用する。 平成24年度に繰越金が生じた理由は、発注した文献の品切れ等によるものだったので、在庫状況を確認する時間を十分に取って文献収集を行う。
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