2011 Fiscal Year Research-status Report
米国オハイオ州教育プログラムの分析をもとにした家庭科「問題提起解決学習」の開発
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23531175
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
綿引 伴子 金沢大学, 学校教育系, 教授 (90262542)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 問題解決 / 家庭科教育 / オハイオ州 / プログラム開発 |
Research Abstract |
オハイオ州カリキュラムのキー概念である実践的推論プロセスに依拠し、日本の家庭科の実践分析を行った。その結果、「問題への気づき―現状の把握と分析―問題の特定」のつながりが明確でないことや、選択肢の多角的検討や実行と結果の省察が行われていないことが明らかとなり、プログラム開発への示唆が得られた。これについては、論文「家庭科の家族学習における問題解決学習の分析-実践的推論プロセスを手がかりに-」にまとめた。 これまでのオハイオ州での調査結果に、今年度の追加データを加え、オハイオ州における実践的プロセスを活用した授業実践について学会発表を行った(「実践的推論プロセスを取り入れた授業実践-オハイオ州Bellfontaine高校「人間関係プロジェクト」の実践をもとに-」、日本家庭科教育学会2011年度例会)。 問題提起解決学習のプログラム開発に先立ち、長年問題解決型学習に取り組んできたスウェーデンの家庭科教諭マリア・フェルド氏の授業参観および聞き取り調査を行った。また、フェレド氏の指導的立場であり共同研究を進めてきたウプサラ大学のカーリン・ヤルメスコグ博士への聞き取り調査や資料収集を行った。 カリキュラム開発に活かすため、問題解決型学習に取り組んできた小学校・中学校・高校の教師に、問題解決型学習の題材や有効性、手だてなどについて聞き取り調査を行った。試行的に家族分野のカリキュラム開発を行った。 本研究の一部に関わるアメリカの家庭科教育について、研究会に参加しながらまとめ、書籍の一部を執筆した(印刷中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H23年度は、本研究の目的である問題提起解決学習のプログラム開発の向けての準備期間として位置づけられる。日本の家庭科の実践を分析し課題を明らかにしたり、オハイオ州の実践的推論プロセスを取り入れた授業を分析したりした。 オハイオ州のカリキュラムについての調査が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ、オハイオ州での資料収集が不十分なため、H24年度はこの点を重点的に行う。10月頃に渡航を予定している。 また、家庭科における問題提起解決学習のプログラム開発を行う。その際、小・中・高校教員の協力をえて、研究会を重ねながら進める。 H25年度には、開発した学習プログラムの実践と検証を行う。また、開発した学習プログラム集を作成し、教員研修や大学の授業で活用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
米国オハイオ州にて調査を行う。オハイオ州のカリキュラムや授業に関する文献や教材を収集したり、授業参観や教師・研究者へのヒアリング調査を行う。そのための海外渡航費400,000円、資料代40,000円、持ち帰った資料の翻訳・整理の謝金100,000円。 国内の小・中・高校教員の協力を得ながらプログラム開発を行うため、調査旅費100,000円、研究打合せ会旅費100,000円、研究会会議費30,000円、調査通信費50,000円、協力者への専門的知識の提供等への謝金80,000円。以上、合計900,000円
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