2013 Fiscal Year Annual Research Report
「現代語」の成立と消滅に見る「言語の教育」の課題と言語力育成への視座
Project/Area Number |
23531180
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
八木 雄一郎 信州大学, 教育学部, 准教授 (80571322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩男 考哲 信州大学, 教育学部, 准教授 (30578274)
藤森 裕治 信州大学, 教育学部, 教授 (00313817)
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Keywords | 言語の教育 / キーコンピテンシー / 現代語 / 国際研究者交流 / イギリス |
Research Abstract |
本研究の目的は、平成元年版高等学校学習指導要領(国語科)において新設された「現代語」が科目および教科書として成立するまでの過程と、それが学校現場に浸透せずに短命に終った要因を複眼的なアプローチにより解明することである。それを通して、日本の国語科教育における「言語の教育」の特質と課題を明らかにし、世界的な視野で学力の問題(および言語力の育成)を考えることが求められるこれからの時代において、日本の国語科における「言語の教育」はどのようにあるべきかということについての提言を行った。 本年度は、研究実施計画において示した内容のうち、①戦後の国語科教育史における「言語の教育」の変遷および「現代語」の位置づけ、②「現代語」教科書に内在する言語観についての現代言語学の視点からの分析、③海外における「言語の教育」と日本の国語科における「言語の教育」の共通点・相違点について、重点的に調査および考究を試みた。 ①昭和20年代~50年代において「言語の教育」が強調されることになった契機とその背景を、雑誌『言語生活』における言語教育特集の変遷を調査することを通して検証し、そこでの思潮が「現代語」にどのように流入していくのかについて考察した。②については「現代語」教科書の分析を行い、現代言語学における「言語」の諸テーマが、国語科教育においてどのように反映されているのかについて分析した。③については、イギリスでの現地調査を行い、当地における「言語の教育」の実態を調査し、日本におけるそれとの比較を行った。
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Research Products
(16 results)