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2011 Fiscal Year Research-status Report

算数・数学的活動の段階論による式指導の実践的研究

Research Project

Project/Area Number 23531185
Research InstitutionAichi University of Education

Principal Investigator

佐々木 徹郎  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20170681)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords国際情報交流 / 算数・数学的活動 / 活動の段階論 / 式による表現
Research Abstract

算数・数学的活動の段階理論を明確にするために,数学的活動に関する実践的研究と理論的研究の成果を収集してまとめた。さらに,それらの成果を基にして,活動と式表現式の関連に着目して指導の在り方を究明した。 わが国では,算数・数学的活動に関する実践的研究は増えている。それらは,教材研究や教材開発が大部分である。例えば,整数の指導のために,1から100までの玉を,10のかたまりごとに連ねた「そろばん」を活用する実践がある。これは有用で興味深い。しかし,多くの実践研究は「外的な活動」であり,かつての「操作的活動」に類似している。単元全体の中で,算数・数学的活動を構想するには,活動の段階論が重要ある。このことを再認識できた。また,「表現力」に関する研究も多く,式表現に着目する研究もある。しかし,算数・数学的活動と式表現を関連させた実践研究は少ない。 理論的研究は,算数・数学を活動としてとらえるか,知識としてとらえるかという認識論から考察した。後者は,知識人類学と呼ばれている。知識の社会的機能を文化人類学的に研究するものである。この中で,数学教育の特質は,算数・数学の知識を教育のために変換することだととらえる。つまり,授業においては,算数・数学の知識を構成するか内化させるかという問題になる。しかし,Vygotskyの理論から考えれば,これらは相互に関連しており,双方向とも必要な指導過程である。 わが国の算数指導では、問題提示の次に、「立式を問う」という構成になっており、式による形式化を優先している。このような展開ではなく,児童が問題を理解した後に,活動によって問題を解決する。そして,この過程を式表現する授業を開発し,実践することができた。この授業を記録し,ディスコース分析した。ディスコースからは,算数的活動と式表現を結びつける学習過程が明らかになった。また,教師の指導の重要性が分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

わが国の文章題指導では,児童が文章題を理解した直後に,立式を問う指導が多い。本研究の成果として,文章題を理解した後に,活動によって問題を解決し,その過程を反省することで式表現する授業を開発し,実践することができた。つまり,算数・数学的活動と式表現を結びつける式指導の授業記録を収集し,分析することができたのである。そのディスコース分析によって,活動と式表現が結びつく過程や指導を明らかにすることができた。 さらに,算数・数学的活動の段階論を知識人類学の観点から考察し,認識論的に広い視野から,活動段階論の意義や活用の仕方を究明することができた。つまり,Vygotoskyの理論から,知識の構成と内化の過程が双方向的に関連していることがわかり,教師の指導におけいて,何が重要かを明らかにすることができたのである。

Strategy for Future Research Activity

算数・数学的活動と式表現の関連についての授業記録を収集し,そして分析・考察する事例を収集していく。そのためには,近年注目されている授業研究から,教師教育の研究成果を活用して,教師との協力関係を構築していく。 また,算数・数学的活動の段階論に基づいた授業や教材を開発するために,文献や資料を収集し,考察する。また,国内外の研究者や教師の交流や議論を深めていく。 さらに,算数・数学的活動と式表現に関する研究やディスコース分析に関する研究成果を収集し,実践的な研究を進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

算数・数学的活動と式表現に関する最新の研究成果と国内外の研究者や教師との議論のために,国際会議や国内の学会に参加し,資料収集する。韓国ソウル市で開催される第12回国際数学教育会議(ICME 12)に参加し,海外の研究者や教師と交流する。また,第36回国際数学教育心理学会(PME 36)に参加し,資料を収集し,研究者と議論をする。国内の学会にも参加し,議論を深める。 また,算数・数学的活動や式表現に関する授業記録を収集し,ディスコース分析するための録画・録音器機や資料を準備する。そして,そのような授業研究のために教師との協力関係を構築する打ち合わせを行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 子どもが「考え,表現する」算数・数学の授業 -授業の認識論-2011

    • Author(s)
      佐々木徹郎
    • Journal Title

      愛知教育大学数学教育学会誌 イプシロン

      Volume: 第53巻 Pages: 9-12

    • DOI

      Ipushiron, ISSN 0289-145X

URL: 

Published: 2013-07-10  

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