2013 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの初等教員の音楽能力の基準とIUFMにおける音楽教育の実態調査
Project/Area Number |
23531186
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
吉澤 恭子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40594354)
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Keywords | 教育学 / フランス / IUFM / 教員養成 / 初等教員 / 音楽能力 / 教員採用試験 |
Research Abstract |
本年度は、過去2カ年を通じて継続的に実施しているフランスの初等教員に求められる音楽能力に関する資料研究、そしてパリ・アカデミーのIUFM(2013年9月から「ESPE」に変更された)における音楽教育に関する講義・演習、教職実践演習等の視察調査(フィールドワーク)を行い、主に以下の項目に焦点をあて、調査・研究を進めた。 (1)フランスの各アカデミーが作成・公表する『初等教員採用試験報告書』を基に、音楽聴取審査の運営方針と審査における受験者の実態について(2)初等教員採用試験の音楽聴取審査で活用される「音源資料」の存在とその諸相について(3)H23年度の継続調査として、初等教員養成プログラムにおけるAPP(教職実践演習)の実態について(4)初等教員養成プログラムにおける文化芸術事業の活用の実態について(5)中等教員養成(音楽教育)の教育の実態について。 (1)(2)(4)について、論文および口頭による研究発表で研究成果を提示することができた。実質2年半にわたり継続的に実現してきた現地調査をとおして、パリ・アカデミーのIUFMにおける初等教員養成としての音楽教育の在り方に、フランスの学校教育で1980年代以降,徐々に発展してきた芸術文化教育および2008年以降に導入された「芸術史教育」を重視する姿勢が見られた。将来初等学校でそうした教育活動を実現・運用可能な教員の資質・能力の育成をめざす教育プログラムが組まれている。そして社会における文化政策の発展へと結びつく可能性をもつIUFMの音楽教育の在り方に、大いに示唆を得ることができた。
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