2013 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の言語活動を充実させるアーギュメント・スキル育成に向けた理科授業デザイン
Project/Area Number |
23531190
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 美紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90293729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
西垣 順子 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
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Keywords | アーギュメント / ライティング / 小学生 / 理科教育 |
Research Abstract |
ライティング(記述)のアーギュメント・スキル育成を目指した2つの理科授業――小学校5年生理科「振り子の運動」「溶解」――を,成果評価の知見に基づいて改善した。この改善版授業について,数量的分析を中心に,スキル育成の成果を評価した。「振り子の運動」の単元については,授業改善の効果を日本教育心理学会総会で発表し,学会での議論を踏まえて内容を精緻化させた学術論文を,科学教育研究に投稿し受理された。「溶解」単元の改善版授業についても,授業中のワークシートおよび遅延ポストテストにおける学習者のアーギュメントを,前年度完成させた分析フレームワークに基づいて分析し,成果評価を行った。しかしこちらの単元では,授業改善に伴う力点の変化により,アーギュメントの記述が簡素化される傾向が生じ,これまでの評価基準に基づく採点では,ベースライン授業を上回る得点の伸長を示すには至らなかった。求めるアーギュメントのレベルを上げながら指導を積み重ねるようなカリキュラム化を意図していたが,指導の反復を伴うカリキュラムを考える上で,課題が提起された。「振り子の運動」の単元については,アーギュメント・スキル育成の入門授業のモデルケースとし,評価ルーブリックなどとともに,公開可能なレベルに完成した。 日本発達心理学会の大会委員会企画シンポジウムでの話題提供において,3年間の研究の総括となる内容を発表した。思考の生涯発達の観点から,科学的思考とその表現方法を一体的に指導するアーギュメント教育の意義を示し,一連の実践研究について,詳しく紹介した。
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Research Products
(4 results)