2013 Fiscal Year Annual Research Report
交渉能力の育成をめざした社会科教育の理論研究と教育ゲームの開発、実施、評価
Project/Area Number |
23531191
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉永 潤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50243291)
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Keywords | 交渉 / 社会科 / ゲーム / 競争的合意形成 |
Research Abstract |
本年度においては、最終年度として、社会科授業において実際に活用可能な交渉ゲームの開発を行い、大学生を対象とした試験実施、効果検証を経て、当該成果を学会において報告した。 開発したのは、導入的ゲームとして「進路ゲーム」、社会科授業での実施を前提とした「Independence Day」の2種である。前者は、高校修了を目前としながら大学進学よりも独自の職業進路を志すプレイヤー1と進学をさせたい親としてのプレーヤー2を設定して相互の交渉を行わせるシナリオであり、後者は、戦後占領期日本を題材にとり、冷戦が激化する国際環境の下、有利な条件で独立を目指すB国プレイヤーと、B国を自陣営側にとどめようとするA国プレイヤーの二者間の交渉を体験させるシナリオである。 実施の後、ゲームイの楽しさ度、難易度、ゲームにおいて用いた交渉技能、ゲームを通じての学習内容などの観点から効果検証を行い、おおむね意図した高水準での被験者評価と学習効果を確認した。 成果は、実施を補助した馬場大樹(神戸大学発達科学部4年)と連名で、2013年11月、全国社会科教育学会第62回大会(山口大学教育学部)において報告を行った。 また本年度は、本開発研究を意義づけうる理論的研究として、次の学術論文を発表した。「リスクテーキングなコミュニケーション能力の育成―N.ルーマンのコミュニケーション論とリスク論を踏まえた社会科教科目標の再検討―」、日本社会科教育学会『社会科教育研究』119号、pp.90-99、2013年11月、査読有。
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Research Products
(2 results)