2013 Fiscal Year Annual Research Report
国語科教師が学びのコミュニティにおいて行政教員研修経験を編み直す学習過程の研究
Project/Area Number |
23531195
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
丸山 範高 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (50412325)
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Keywords | 教科教育学 / 国語科教育 / 教師の語り / 教師の学習 / 教員研修 / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高校国語科教師が、初任者研修や10年経験者研修など、過去に経験したの行政教員研修をどう意味づけ、同僚教師とどのように研究的に関わり、授業改善を進めているかという教師学習プロセスを解明することにある。研究の方法として、国語科授業観察とインタビュー調査を実施し、その後、インタビュー・データを文字化しカテゴリー分析を行った。 本年度の活動の中心は、1:前年度と同じ研究協力者を対象に事例調査を継続したこと、2:前年度、学会で口頭発表した研究成果を研究論文としてまとめ、査読あり学会誌に発表したことである。 同じ研究協力者を対象に継続して事例調査した結果明らかになったことの概要は、初任者研修受講後数年の若手教師であっても、国語科教材文への関わり方やことばへのこだわり方について、自分だからこそ実現できる範囲の内容を見極めつつ授業実践に励んでいるということである。そして、自分らしい授業実践を遂行する上において、同僚教師からの助言は重要な意味を持つが、あくまで自分らしい実践の方向を見失わず、自分らしさをより発揮した実践に向けての指針となるような助言を、若手教師たち自身が取捨選択し、主体的に意味づけながら取り込んでることがわかった。 また、前年度調査の成果を研究論文として学会誌へ発表するにあたって、教員研修制度・国語科教師教育に関わる先行研究を渉猟し本研究の独自性を示すとともに、データ分析を再度行い考察結果がより精密なものとなるように努めた。 一連の調査研究を通じて、授業改善に励む若手教師および中堅教師の共通点として、ことばの学び手についての個々の教師が抱く理想像、現実の学習者の学習状況、学習指導要領等の教育政策的な要求、これら3者の共通項を探究しながら、日々の授業を構想・実践しているということが解明できた。
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Research Products
(3 results)