2012 Fiscal Year Research-status Report
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23531200
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒崎 東洋郎 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60294394)
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Keywords | 非言語 / 説明力 / 算数的活動 / イメージ化 / 言語化への橋渡し |
Research Abstract |
知識基盤社会化、グローバル化等の変動の激しいパラダイムを受けて言語活動の充実が叫ばれている。算数・数学科においても言語活用の充実の観点から「数学的な思考力・表現力」を育成する授業改革がさけばれ、自分の考えを分かりやすく説明し、伝え合う活動を重視した授業改善が行われている。ところが、こうした授業改革では、抽象的な言葉、数、式を用いて説明し,伝え合う算数的活動が強調され,子どもの数学的思考と数学的な表現が遊離している。数量や図形の概念・原理は抽象的であり、内面化の発達途上にある子どもには、具体物を使って思考し、表現することはできても、言葉、数、式を用いて思考、表現することはできない。 そこで、1年次は具体物を使って思考し、「非言語によって自分の考えを説明し伝え合う活動」と構成要素を多角的視点に立って分析し、「拠り所」「「論理」「可視化」が重要な要素であることを検証してきた。 2年次における研究では、「非言語から言語による算数的活動への円滑な移行」に関する有効な方策を検討し、構築した。「非言語(具体的操作)による説明し伝え合う活動」と「言語による説明し伝え合う活動」の両者の間に「イメージ(図)による説明し伝え合う活動」を策定し、非言語から言葉、数、式、言語を使って説明し伝え合う算数的活動へ有効かつ円滑に移行できるようにした。 実践的検証では、PDCAサイクルに従って、第3学年「植木算」、第5学年「分数」「図形の内角の和」をケースにして授業実践、多角的分析、省察を通して検証してきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね達成している。理由は、授業実践研究を通した事例研究では、「非言語から言語による説明し、伝え合う算数的活動への移行」の方策として策定した「イメージ(図)による説明し伝え合う活動」が機能するという示唆を得たことによる
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Strategy for Future Research Activity |
今まで取り組んできた「非言語により説明し、伝え合う算数的活動」のカリキュラム検討し、策定する。 それととともに、非言語から言語による算数的活動へ移行する指導システムを授業実践を通して実証的に検証し、策定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1 非言語による説明し、伝え合う「算数的活動」の 最適な教材・教具の開発費を含めた物品費 25万 2 研究成果、研究取材のための研究旅費 8万 3 研究成果報告書の印刷製本費 15万 4 消耗費 2万
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