2013 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国の科学技術教育における技術および工学の教育内容の研究
Project/Area Number |
23531210
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
角 和博 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80145177)
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Keywords | 技術教育 / アメリカ合衆国 / 工学 / デザイン / 科学技術教育 / 教育内容 |
Research Abstract |
本研究では、わが国の技術科教育の充実をはかることを目的として、アメリカ合衆国の全国標準のスタンダードおよび各州ごとのカリキュラムの教育内容および教育方法について調査および研究を行った。アメリカ合衆国における実地調査は,主に平成23年度,24年度,および25年度の3回ともミシシッピー流域技術教師会議(MVTTEC)に出席して行った。この会議はアメリカ合衆国で最も長く継続して開催されている技術教育に関する会議で,最新の技術教育の動向を捉えて,それを的確に発表できる研究者を指定発表者にして,参加した会員でそれぞれのテーマ毎に1時間近く議論するものである。私はこの会議に1997年度からほぼ毎年参加していることもあり,17年間の議題の変遷から常にアメリカ社会の変化に対応した教育内容を考え続けていることが分かった。1985年から始まった数学,理科,工学,技術(STEM)の統合型カリキュラムの考え方は,2000年の技術リテラシーの標準発表以降に加速し,従来の技術科は,工学準備教育としての特徴を持つようになってきた。Technology education は,Engineering by Designと名称変更し,STEMまたはSTEAM(芸術を含む)は,さらに科学,技術,デザイン,工学,数学(STDEM)の統合型カリキュラムに発展することで21世紀に必要な教育内容を準備しようとしている。この調査結果から,わが国の将来の技術教育を考える場合にデザインや工学を取り込んだ教育内容を検討する必要があることが分かってきた。将来の中学校技術・家庭(技術分野)では,構想,設計,制作・製作,評価の各段階を4つの内容として捉え,この各内容に必要な知識・技術として現在の材料・加工,エネルギー変換,生物育成,情報の各内容を再構成することでデザインや工学的な視点を持った教育内容にすることができると考える。
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