2011 Fiscal Year Research-status Report
米国社会科における多文化認識及びグローバル認識の統合と市民性育成に関する研究
Project/Area Number |
23531224
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森田 真樹 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60340486)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 社会科教育 / シティズンシップ教育 / 国際理解教育 / 米国の教育 / 国際情報交流 |
Research Abstract |
平成23年度は、米国・カナダにおける社会科教育、シティズンシップ教育、グローバル教育をはじめ、関連分野の文献を主に実施した。両国のシティズンシップ論や多文化社会論などを中心に文献の収集を行い、どのような形で、多文化への認識・資質形成と、国際社会への認識・資質形成が論じられているのかを検討し、カリキュラム構造、教育内容の特色などを分析・抽出するための基本的枠組みを構築する作業を行った。代表的な州のカリキュラムを収集しながら、とくに米国においては、No Child Left Behind Actの制定以後のシティズンシップ教育についての検討を行った。9月には、全国社会科教育学会、立命館大学産業社会学部の後援をえて、国際シンポジウム「21世紀市民社会におけるシティズンシップ教育」を企画・実施した。講演者として、カナダからMark Evans教授(University of Toronto)、イギリスからJon Davison (Canterbury Christ Church University)教授、Paul Warwick教授(University of Leicester)の3教授を招き、指定討論者として、水山光春教授(京都教育大学)を招いて実施した。 さらに、本研究テーマに関わる近年の米国のシティズンシップ教育の最新動向について整理し、全国社会科教育学会の学会誌『社会科研究』に「現代米国公民教育改革における「公民的機会」をめぐる問題」を投稿し、掲載されることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画では、主に6点の実施を予定していた。その概要は、(1)基本文献の収集と分析の基本枠組みの構築、(2)州カリキュラムや教科書の収集、(3)No Child Left Behind Act施行後の米国シティズンシップ教育の最新動向の整理、(4)全米社会科協議会(NCSS)のナショナル・スタンダードの検討、(5)現地調査、(6)研究成果の学会報告である。 計画は、おおむね順調に進んだが、予定の修正が必要となったのは、(2)の教科書の収集が、発注・納品の関係で遅れたこと、(5)現地調査予定先との日程調整ができず、調査のために訪米できなかった点の2点である。しかし、(2)については、これまでに収集した教科書を分析することで一定程度進展させることができ、(5)については、9月に国際シンポジウムを企画したことで補うことができたと考えている。 平成23年度に実施できなかった点については、平成24年度の研究実施の際に併せて行う予定にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、(1)平成23年度の研究において必要と判断された教科書やカリキュラムの入手と分析、および、市民的資質の育成の論理構造、多文化への認識・資質形成、国際社会への認識・資質形成の関係性の整理、(2)中等段階の教科書分析と原理の抽出、(3)現地調査、(4)学会報告の4点の実施を計画している。平成23年度の研究において、初等教育段階の教科書購入の発注・納品が遅れたことと、調査予定先との日程調整がかなわず、現地調査に出かけることができなかったために、予算に未使用額が生じた。これについては、平成24年度の研究遂行の際に、初等教育、中等教育を併せて教科書を購入するとともに、平成23年度に実施できなかった現地調査を本年度に実施することとし、平成24年度は2回の現地調査(夏および春を予定)を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、研究計画に従い、米国の学校用教科書及び基本文献の購入、現地調査を中心に研究費の使用を計画している。平成23年度の研究において、発注・納品の遅れによって学校用教科書の購入予定費での未使用と、現地調査を実施できなかったことによる調査費の未使用が生じている。これらは、平成24年度の研究の遂行にあたり、併せて使用する予定である。とくに、現地調査は、昨年度未実施の内容も含めた調査を実施する予定にしている。また、研究用コンピューターについても、本年度の研究の中で購入する予定にしている。
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