2011 Fiscal Year Research-status Report
新しい地理教育フレームワークに基づく地誌授業モデルの開発・検証
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23531225
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
中本 和彦 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (80513837)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 地理教育 / 地誌学習 / 社会科教育 / フレームワーク / 授業開発 |
Research Abstract |
本年度は,新しい地理教育フレームワークの構築と地理授業の類型化のため,二つの側面から研究を行った。一つは,理論的・方法論的情報の収集を行った。具体的には,8月に「特別セミナー:社会科教育研究の方法論の国際化プロジェクト」(広島大学)に参加し,学力論,評価論,PCK論等の知見を,1月に,ブルース・バンスレッドライト氏(ノースカロライナ大学シャーロット校教授)による講演会,シンポジウム(広島大学,大阪大学中之島センター)に参加し,授業分析についての知見を,さらに,3月に,スティーブン・ソントン氏(南フロリダ大学教授)による講演会,シンポジウム(広島大学,立命館大学)に参加し,ゲートキーパー論,カリキュラムと教師との関係についての知見を得た。 二つは,従来の地理教育の課題の解決や新たな地理教育の可能性を授業レベルで探求した。本成果は,「Development of a virtual survey of a familiar region to develop students’content and method wisdom: "Why is the shopping center located where a factory used to be?"」を『The journal of Social Studies Education』Vol.1,pp.29-44(2012)に発表し,地域調査の学習における今日的な課題の解決方法を提示した。また,「エネルギー・環境問題をめぐる不易と流行」を第23回社会系教科教育学会研究大会(兵庫教育大学,2.19)で口頭発表し,社会問題を中心とする授業モデルを提案した。さらに「地理教育の可能性を拡げる中等地理授業の開発」を地理教育懇話会(地理科学学会地理教育・ESD研究グループ)(広島大学附属中・高等学校,3.24)で口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地理教育のフレームワークを検討するため,文献による調査・研究だけでなく各種講演会・シンポジウムに参加することによって,国内外の社会科教育学に関する理論的・方法論的知見を得ることができた。また,学会等への参加・発表によって,地理教育に携わる行政者,研究者,実践者との意見交換・情報収集ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,社会認識形成に関わる文献研究,情報収集をすすめるとともに,それらをもとに,新しい地理教育フレームワーク案を作成する。次に,学会誌,中学校・高等学校地理に関する著書などから,地理授業の収集を行い,収集した地理授業を新しいフレームワーク案で分析し,類型可能か検証する。それらの結果を踏まえて,必要に応じて新しい地理教育フレームワーク案の修正を図り,精緻化させる。そして,新しい地理教育フレームワークに位置付く地誌学習の授業モデルの開発に着手し,完成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フレームワーク案検証のための学校現場の実践者や研究者などへの聞き取り調査,授業モデル検証のための実践者との打ち合わせのための旅費など。社会科教育関係,地理教育関係,授業モデル開発関係の書籍費など。尚、外国文献書籍の取り寄せに時間がかかり、一部平成23年度での研究費の使用に係る事務手続きが間に合わなかったものがあった。そのため、平成24年度における書籍費に組み込んで研究費を使用する計画である。
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Research Products
(6 results)