2011 Fiscal Year Research-status Report
国語科のグループワークにおける協同性の成立条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
23531230
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
森 美智代 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (00369779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 守 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00381020)
渡辺 貴裕 帝塚山大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50410444)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国語教育 / 授業研究 |
Research Abstract |
本研究は,国語科の言語活動において,協同性を保障する条件が,いかなるものかを明らかにすることを目的とするものである。特に4~6人で学習するグループワークに焦点を当て,話すこと・聞くこと,読むことの領域を中心として,言語活動の分析,開発,及び検証を行う。国語科授業改善に繋がる実験的研究であると同時に,協同性に基づいた新しい国語科授業モデルを提案するものである。 平成23年度は,まず,協同性の問い直しを行った。誰が,どのような状況で,いかに振る舞えば,協同性が実現したと言えるのか,協同性の定義を国語科言語活動の水準で具体化する。そのために,小学校2年生から中学校3年生の学習者を対象として,各分担者が,〈対話〉〈ブック・クラブ〉〈演劇〉をキーワードとした授業分析を行い,協同性の諸相を明らかにした。例えば,小学校2年生段階でのグループワークは研究計画では対象外としていたが,形態としては成立可能である。しかし,それを即協同性の成立と捉えられるのかどうかについては,さらなる検討が必要である。 また,協同性の定義以前に,国語科の言語活動の定義がすでに,学校種や学校,地域,教室等によって異なっており,また,グループワークそのものを仕組むこと自体が困難な教室も多く見られた。そのような教育現場においては,原因の解明及びその解消と同時に,協同性の保障条件が顕在化してくる。そうした現状に対し,どのような研究アプローチが可能であるのかについての追究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の最大の目標である,国語科における協同性の問い直しについては,各分担者がそれぞれ〈対話〉〈ブック・クラブ〉〈演劇〉をキーワードとした授業分析を行い,協同性の諸相を明らかにすることができた。また,グループワークを取り入れた授業実践の記録についても材料が整いつつある。 現在,協同性の育成を,教育現場の現状に見合う形で仕組むための具体的な方略について,個々の事例に沿いつつ,検討を行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度と同様,各担当者で〈対話〉〈ブック・クラブ〉〈演劇〉をキーワードとした授業分析を行いつつも,それぞれを核とした具体的な方略の検討,また,それらを統合する方略の検討を行っていく。具体的には,吹田市立千里丘中学校を共通のフィールドとして,教室の現状に即したグループワークの開発と,指導案の作成及び実践,検討を行っていく。方法としては,中学3年生の一クラスを対象として,年間を通して数回の調査及び研究授業を行い,教室における協同性の質的な変容についての考察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中心となるのは,各担当者が各フィールドにおいて授業研究を行うための旅費と文献費である。また,授業分析には一度に数台のビデオカメラが必要となることや,フィールド先において検討を行うための投影に関わる機材,記録データの整理・保管に関わる機材についての購入が必要となる。
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