2013 Fiscal Year Annual Research Report
国語科のグループワークにおける協同性の成立条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
23531230
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
森 美智代 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (00369779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 守 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00381020)
渡辺 貴裕 東京学芸大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50410444)
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Keywords | 国語教育 / 授業研究 / 文学的文章教材 |
Research Abstract |
本研究は、国語科の言語活動において、協同性を保障する条件が、いかなるものかを明らかにすることを目的としている。特に4~6人で学習するグループワークに焦点を当て、話すこと・聞くこと、読むことの領域を中心として、言語活動の分析、開発、及び検証を行った。そのために、まずは理論的究明として、(a)対面の他者との対話、(b)小グループの読書による読みの推進、(c)演劇的活動によるノンバーバル・コミュニケーションという個別領域の検討を行った。これらは、国語科教育において蓄積されてきた、グループワークを用いた言語活動である。それを、協同性という観点から捉え直すことによって、国語科教育における協同性の諸相を明らかにすることを試みた。その結果、質の高い協同性を保証する契機として、「わかっていなかったことに気づく」という体験が他者によってもたらされること、またその過程を経た後に、一人では到達することのできなかった新たな学びを、仲間と共に獲得することがわかってきた。 また、本研究では、授業観察・授業研究として、協力校である学校現場に出向き、小学校高学年~中学校段階の国語科の授業の記録、分析を行った。特に、文学的文章教材の読みを深めるための手立てとして取り入れた、ペアでの話し合い、グループでの話し合い、さらには全体での話し合いについて、それぞれを記録し、データの集積を行った。授業研究の一例としては、「わらぐつの中の神様」を教材とした小学校6年生の授業づくりと、その検証を行った。 協同性の成立条件を全て抽出することは困難であり、また本研究の目指すところでもないが、「わかっていなかったことに気づく」という体験を保証する他者の存在を、いかに生起させうるかが、重要であるとわかってきた。本研究では、他者の生起を保証するこれら場づくりや手立て・言語活動を構想し、他者が生起するプロセスを明らかにした。
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Research Products
(11 results)