2012 Fiscal Year Research-status Report
実践的な工学技術者に適した数学的モデリングの思考パターン習得法に関する研究
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23531232
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| Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
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Principal Investigator |
松田 修 津山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60342549)
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| Keywords | 数学モデリング / 数学教育法 / データの近似 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は「物理や工学において数学力がないと指摘される問題への対応策の具体的な研究と基礎訓練法の提示」である．また，平成24年の計画では「初心者向けの数学的モデリング問題集」の作成を計画していた．平成24年度に実施した研究成果は研究計画から多少ずれ込んで，「基礎数学」の部分でしか達成できていないが，平成23年からの成果を踏まえ次のステップへと確実に進んだ．
平成24年度は，昨年度調査が不十分であった点を補いつつ実施した．その一つが，日本数学教育学会高専・大学部会のメンバーにより，工学系に必要とされる数学に関する調査研究論文の調査である．この論文を手掛かりに初心者向けの数学的モデリングの思考パターンが可能なものを抽出する作業からスタートさせた．
平成24年度の研究成果は，「数学モデリングの基礎を授業で実践するための教材」のWebテキスト「基礎数学版」をほぼ完成した点にある．これは，上で述べた日本数学教育学会高専・大学部会のメンバーによる研究論文及び，学生の学習状況の調査から，「データを近似する関数を推測する」教育法を研究し，これを応用し開発したものである．この授業モデルは，体育の授業で行われるミニゲームに対応する．すなわち，従来の教室で展開されている数学教育は，基礎訓練ばかりが重視され，学んだ基礎知識を使って級友と一緒に考え，ゴールに向かって活動するための教材が欠けていた．
今回開発したミニゲーム的要素を盛り込んだ数学教育法に関しては，平成24年11月に津山高専で開催した「 高専数学教育シンポジウム ―数学的モデリング，物理教育とその周辺―」において，分野が関係する研究者を呼び議論がなされた．また，9月と1月にお茶ノ水大学で開催された数学教育の会でも成果を発表した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は「物理や工学において数学力がないと指摘される問題への対応策の具体的な研究と基礎訓練法の提示」である．研究実績の概要でも述べたが，平成24年度までに「数学モデリングの基礎を授業で実践するための教材」のWebテキスト「基礎数学版」をほぼ完成した．これは物理や工学の現象をイメージした誤差付きの数値的データとそのグラフ化ら，数学で学ぶ関数を適切に選択し，さらにそのデータを近似する具体的関数を自分なりの解釈で求めていくというものである．この点で物理や工学とのイメージできる数学教育の新しいモデルを提案できていると考える．このような研究の経緯を経て，平成23年度，平成24年度に渡って開催した「 高専数学教育シンポジウム ―数学的モデリング，物理教育とその周辺―」も順調な成果をあげている．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は「物理や工学において数学力がないと指摘される問題への対応策の具体的な研究と基礎訓練法の提示」である．平成24年度までに「数学モデリングの基礎を授業で実践するための教材」のWebテキスト「基礎数学版」をほぼ完成した．しかし，当初の目的である微分積分と線形代数に関するテキストは未完である．研究の基本は，これまでの調査研究から得られた「データを近似する関数を推測する」教育法を微分積分と線形代数に応用させることにある．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「データを近似する関数を推測する」教育法を微分積分と線形代数に応用させ，この分野の「初心者向けの数学的モデリング問題集」を完成させる．また本年度も引き続き 高専数学教育シンポジウム ―数学的モデリング，物理教育とその周辺―」を実施し，物理教育と数学教育の連携の場を創設する．
平成25年度は最終研究年度であるため，これまでの成果を夏に開催される日本数学教育学会高専・大学部会で発表する．
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