2011 Fiscal Year Research-status Report
国際理解教育・国際教育協力のためのデジタル紙芝居教材の構築法に関する研究
Project/Area Number |
23531239
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
村松 隆 宮城教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10134074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真久 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (00360800)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 国際理解 / 国際教育 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は、文字解説を含まず絵や写真等を中心とした紙芝居の教育技法を活かして、国際教育協力と国際理解教育に活用できるデジタル形式の紙芝居クリップ教材を作成する。環境をテーマとし、教育者・学習者が自ら独自の紙芝居教材を作り出せるように、紙芝居に使う写真・絵等の素材分析と分類、素材を用いた紙芝居ストーリーの形成法を検討し、教師と生徒・生徒同士のコミュニケーションの促進、他の課題学習への発展的適用を目的とした教材構築法を確立することにある。平成23年度は以下の通り事業を進めた。(1)紙芝居の素材となる写真・イメージデータの収集:JICA事務局の協力によって、青年海外協力隊員(派遣中隊員と帰国隊員)から任地の活動報告と隊員活動中で撮影した写真等(デジタル形式)を入手した。入手した写真の中から、環境教育の紙芝居へ導入利用できるものを抽出した。(2)入手した素材情報の整理・分類:青年海外協力隊員の活動過程において撮影した写真等を環境教育の紙芝居に導入するための情報分類としては、以下のような情報整理を行った。(1)青年海外協力隊派遣現職教員より入手した素材を、地域別、対象別(学校教育、住民教育)、課題別(自然、生活)に分類し、教育課題に対応させて、簡単な解説・説明文と検索用キーワードを付加する。(2)素材情報の質を大項目(環境問題改善や教育課題から構成)、中項目(課題の質やアプローチの仕方等で構成)、小項目(具体的なアクティビティで構成)に細分化し、小項目に沿って素材を分類・編集する。紙芝居クリップ編集に用いる素材として項目事項をキーワードとして素材情報に付加した。(3)デジタル型紙芝居クリップの作成:素材情報(写真・イメージデータ)の一部については、紙芝居クリップとしての活用を考え、素材ライブラリーを作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、代表者と分担者が行った「青年海外協力隊員(主に環境教育分野)の教育マテリアル支援」(国際協力イニシアティブ事業(文科省・H14~H21))の事業成果物を背景・基盤に、JICA事務局の協力を得てJICAを経由して世界各地の青年海外協力隊員(主に環境教育隊員)から、彼らの任地活動に関する写真等の情報・教育活動情報を入手し研究を進めている。科研費申請時の予定に沿って、(1)紙芝居の素材となる写真・イメージデータの収集、(2)入手した素材情報の整理・分類、(3)デジタル型紙芝居クリップの作成を順に従って計画的に研究が進行している。なお、青年海外協力隊員から入手できる活動情報は、全て(3)の公開用教材に直接導入できるものだけで無いため、セキュリティを考慮した情報の加工等の必要性から、(3)については当初目標を十分達成したとは言い難い状況にある。しかし、H23年度においては、予定に沿って着実に実績が蓄積されており、おおむね順調に進展していると判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度においては、紙芝居教材へ導入可能な環境テーマに対応した写真、イメージデータ等のデジタル情報を蓄積保管するためのライブラリー構造をつくったので、平成24年度においては、分類・整理(大項目・中項目・小項目)の各項目に沿って情報を整理・蓄積し、これを紙芝居クリップへの導入に使用し紙芝居教材を構築していく。青年海外協力隊員の教育活動への利用、日本の小学校における教科教育(社会・道徳等)、総合教育(国際理解教育等)への活用を意図し、紙芝居教材例として活用モデルを作成する。複数の活用モデルをつくり、教材ライブラリーとして統合化する。 平成24年度による研究の進捗に合わせ、本研究が当初目的としていたWeb 検索システムを用いた「際教育協力・国際理解教育のためのデジタル紙芝居教材構築法(仮称)」を構築する。具体的には、素材への情報付加(説明文や解説文の構造や書式)、紙芝居クリップ下地への素材の貼り付け方、パワーポイント機能の追加など通常のアプリケーションによる装飾・加工編集、素材や紙芝居クリップの抽出による紙芝居ストーリーの作成、多用目的の選択と適用素材・紙芝居クリップの取り出しなど、Web 検索システムにキーワードを利用して教材開発機能をもたせ、データベースとしての活用能力と機能を強化する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用に当たっては、環境教育に役立つ写真情報、イメージ情報、教育書誌情報等をデジタル化し、情報の蓄積・整理に研究費を使用することと、アフリカ海外調査により、グローバル環境に関する教育情報の分析・解析を進め、情報収集とデジタル化による紙芝居教材への導入を図るための経費として使用する。
|
Research Products
(7 results)