2012 Fiscal Year Research-status Report
「文化学習」を中核とした政治教育・シティズンシップ教育の構想と実践
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23531241
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大友 秀明 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30176945)
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Keywords | シティズンシップ教育 / 政治教育 / 世界文化遺産学習 / 文化学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)我が国やドイツの学校において多様に実践されている「政治教育・シティズンシップ教育」の歴史と現状を調査・分析し、その複雑な教育パターンを類型化・体系化するとともに、(2)文化(文化財・世界文化遺産・文化政策など)に関する教材を開発し、実践することによって、「公共」に主体的に参画する意識や態度を身に付けた市民を育成する「政治教育・シティズンシップ教育」の意義と可能性を究明することである。 本年度は、大きく二つの方向から研究を進めた。 第一に、「文化学習」の構想・展開のために、①中国の北京、西安などの都市に残る文化、歴史、町並み、世界遺産についての現地調査を実施し、②オーストリアのウイーンの美術史美術館や博物館所蔵の資料・史料、関連書籍、スライドなどを収集し分析した。そこから「世界文化遺産学習」に関する着想を得た。 第二に、「世界文化遺産学習」の先行研究や諸文献を収集・分析し、「国宝の姫路城」「五箇山の合掌造り」「暫定遺産の富岡製糸場」「危機遺産のバーミヤン遺跡」に関する素材・教材研究を行った。そこから、「シテイズンシップ教育」としての「世界文化遺産学習」の可能性を提示した。 今年度は、①「文化学習」の構想と実践のための基礎的な現地調査を遂行し、②「政治教育・シテイズンシップ教育」としての「世界文化遺産学習」の可能性を追求した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定期的(年間6回)に研究協力者と「ローカルマニフェスト・シティズンシップ教育研究会」(会場は大宮ソニック埼玉大学)を開催し、政治教育・シティズンシップ教育の理論と実践についての検討・議論を行っている。 また、この2年間で世界文化遺産の現地調査を実施し、教材のための文献、資料、史料などを収集することができた。さらに、研究協力者とともに、「世界文化遺産学習」に関する教材・素材研究を行い、「政治教育・シティズンシップ教育」としての「世界文化遺産学習」の可能性を示すことができた。 ただし、「文化」を中核に据えた「政治教育・シティズンシップ教育」の実践には至ってはいない。この点については、次年度の研究課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策は、以下のとおりである。 第一に、「文化」を中核とした「政治教育・シティズンシップ教育」の教材の開発及び指導法の改善などの実践的な研究を継続的に遂行することである。 第二に、世界遺産を巡る観光やツアーが盛んになっていることから、「世界遺産」を中核に据えた「まちづくり観光」という地域文化政策についての研究を推進することである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)