2012 Fiscal Year Research-status Report
学力形成に寄与する伝統文化教育の義務教育9年間の和楽器教材プログラム開発
Project/Area Number |
23531255
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小島 律子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20116156)
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Keywords | 伝統文化教育 / 学校音楽教育 / 和楽器 |
Research Abstract |
本研究は義務教育9年間の和楽器合奏の教材プログラムを開発することを目的としている。本年度は昨年度まで作成した筝を中心とした教材プログラムに新たに次の2つの視点を加え、プログラムの展開を図った。(1)新たな合奏形態を開発する(筝に和の打楽器、中学校では篠笛と三味線)。(2)器楽分野プログラムに創作分野プログラムを結合する。それらの授業実践は平成24年11月の附属校全国研究大会で公開し、演奏に関しては2月のグランキューブ大阪で開催された学外音楽会で発表した。 さらに、附属校で開発したプログラム案の汎用性を確認するために、大阪市の公立学校で実践検証を行い、改訂をした。 また、昨年度の韓国での伝統音楽授業実践の調査研究を論文にまとめ、知識・技能を学力とする伝統音楽授業と、本研究のとる知覚・感受を学力とする立場との違いを授業論の観点より明白にした。 今後の課題としては、和楽器合奏が器楽分野にとどまるものではなく、そこを核にして包括的な音楽活動となるように単元間の関連付けを考えること、そしてそのことをふまえてプログラムの系統化および体系化を考えること、そして学力評価の体制づくりがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実体は義務教育9年間の和楽器合奏教材プログラムの作成となる。昨年度義務教育9年間の教材プログラムを作成・実践した。今年度は合奏形態と使用する楽器の点から、作成したプログラムの展開形を作成・実践し、プログラム相互の系統化・体系化への材料を得た。 学力評価に関しては単元ごとに行っているが、体系化された評価規準の作成はつぎの課題に残された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、和楽器合奏の教材プログラム案の系統性と体系性を考察するために、教材プログラム案の展開形を提出し実践・検証を行った。プログラム案には評価規準が提示されている。今後、学力評価の観点に力点をかけ、子どもの姿を評価規準から捉え、評価規準の吟味を行う。 また、伝統文化教育はまだまだ社会的な認知を受けていない現状があることから、社会への問題提起に向けて、シンポジウム等の研究成果の発信を行うことが重要と考えている
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1 引き続き教材プログラムを実践・検証する(和楽器メンテナンス費用、和楽器演奏家への専門的知見提供への謝金) 2 教材プログラムによる授業実践の記録と評価のために、次年度分も含めてこれまで3年間の授業映像記録の編集を行う(補助員謝金、ビデオ編集謝金)。 3 教材プログラム案冊子を作成する(印刷費、発送費)。 4 成果発表のためのシンポジウムを開催する(シンポジスト招聘費用、会場・運営費)。
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