2011 Fiscal Year Research-status Report
小学校における異年齢集団による交流に関する研究―「縦割り班」活動を中心に
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23531259
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
毛利 猛 香川大学, 教育学部, 教授 (50219961)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 縦割り班 / 異年齢集団による交流 / 特別活動 |
Research Abstract |
1、小学校における「縦割り班」活動を中心とする「異年齢集団による交流」の取り組みについて、異年齢の子どもの交流や特別活動における仲間づくりに関する研究など関連文献を広く精査しつつ、異年齢集団活動の特質とその教育的な意義を理論的に根拠づけるとともに、香川県下の小学校における「縦割り班」、兄弟学級・ペア学年、地域ごとの集団などの異年齢集団の編成状況、活動内容と活動頻度(小集会、大集会、当番活動、集団遊び、学校行事、ボランティアなどの異年齢集団での実施頻度)などを明らかにするための実態調査を実施した。 2、香川県下の小学校の特別活動主任または教務主任を対象に、勤務校の「異年齢集団による交流」の取り組みの現状(活動内容、活動頻度)をどのように評価するのか、成果を上げるために必要な要件は何か、さらには、「異年齢集団による交流」に取り組む上での教師の「同僚性」「連携する力」および「異年齢集団による交流」の教育的価値と効果をどう考えるのかについての意識調査を実施した。 3、香川県下の特色ある「異年齢集団による交流」については、担当教員への継続的な聞き取り調査を行った。 4、香川県下の小学校における「異年齢集団による交流」の取り組みに関する上の調査結果については、とくに学校規模別の異年齢集団の編成状況および教員の意識の違いに分析を加えて、調査協力校144校(発送数179校、回収率80.4%)に対して「集計結果・速報版」を返送し、研究成果を還元した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1、異年齢の子どもの交流や特別活動における仲間づくりに関する研究などの幅広い文献研究については、順調に進展している。 2、香川県下の小学校における「異年齢集団による交流」の取り組みに関する調査研究については、全国調査と比べて小規模の予備調査としての位置づけでありながら、「異年齢集団の交流」の取り組みに対する学校規模別の教員の微妙な意識の違いが明らかになった点で、当初の目的を超える成果があった。 3、特色のある「異年齢集団による交流」の取り組みの観察取材および担当教員への継続的な聞き取りについては、モデル校や担当教員との日程調整に手間取ったこともあり、当初の計画よりやや立ち遅れている。 4、1~3を総合すると「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1、香川県下の小学校における「異年齢集団による交流」の取り組みに関する調査研究については、さらに調査結果の分析を加えて関連学会で発表するとともに、同趣旨の論文を香川大学教育実践総合研究に掲載する。 2、香川県下の小学校で実施した調査研究をもとに、調査票を見直した上で、全国の小学校の4%(900校)を抽出して、「異年齢集団による交流」の取り組みに関する全国調査を実施する。 3、県内外の特色ある「異年齢集団による交流」の取り組みについて観察取材と担当教員への継続的な聞き取り調査を行う。 4、「異年齢集団による交流」に関連する文献をさらに広く精査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1、関連学会での研究成果の発表、研究取材のための旅費 2、全国調査を実施するための通信費および調査票の発送・データ入力に伴う業務への謝金 3、「異年齢集団による交流」に関連する文献(教育学書、心理学書、社会学書)の購入
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Research Products
(3 results)