2013 Fiscal Year Annual Research Report
市単位の系統的不登校児童生徒発現予防・減少対策の構築
Project/Area Number |
23531261
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小野 昌彦 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40280143)
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Keywords | 不登校 / アセスメント / 教育委員会 / 応用行動分析 / 新規不登校発現率 / 学校教育法施行令 |
Research Abstract |
本研究は、市単位の不登校発現予防対策の構築を目的とした。不登校発現率が高い3つの市教育委員会(東京都東大和市、T市、K市)からの要請を受け、東大和市全小・中学校15校、T市2中学校(一部)、K市全2中学校を研究対象とした。基本的対策は、各市の典型不登校事例を包括的支援アプローチ(小野,2011)のアセスメントに基づいて対策を立案した。不登校発現予防対策は、学校教育法施行令第20条、第21条を遵守した欠席対応及び問題行動に対する「教師の為の問題解決10ステップ」適用であった。研究遂行中に問題行動の本質的原因が学力不振である事例が多いことが判明し、TK式学習進度テストによる学力アセスメントを追加した。対策適用結果に関するデータ開示が現時点で可能となっている東大和市全中学校においては、新規不登校発現率は2009年の2.87%から2012年、1.3%、2013年12月時、0.98%に減少した。T市で本研究を適用したT中学校においては、新規不登校発現率は、0.89%から0.14%に減少した。K市は、学校教育法施行令未遵守の為、研究対象から除外した。東大和市における研究成果については、小野昌彦(2014)「学校教育法施行令を遵守した不登校認定手順導入による市単位の中学生不登校発現予防の効果-新規不登校発現率半減を達成した東大和市の例-,スクール・コンプライアンス研究,第2号,71~80頁」として学術論文として発表した。上記の不登校発現予防・減少対策の効果が実施地域において実証されたといえる。この成果は、本研究の目標であった対策開始時の新規不登校発現率8割減少を達成することはできなかったが、半減という結果は不登校対策研究において前例のない成果であった。今後は、さらに効果的な対策構築のために、学業不振による不登校発現を防止する小学校低学年からの学習補習システムの導入を検討する。
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Research Products
(12 results)