2011 Fiscal Year Research-status Report
「食育・食農教育の教育的効果の検証と教育モデルの実証的研究」
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23531262
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
野田 知子 帝京大学, 文学部, 教授 (20521579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 賢一 玉川大学, 教育学部, 教授 (90337288)
阿部 英之助 東洋大学, 現代社会総合研究所, 研究員 (10408982)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 食農教育 / 食育 / 農業教育 / 総合的な学習 / 地域連携 |
Research Abstract |
1.「食育・食農教育」についての教育的効果とその検証 (1)喜多方市立小学校における「農業科」…「総合的学習の時間」の中で農業科の授業内容を実施している喜多方市では開始後5年目の平成23年度で、全小学校で「農業科」の授業を行えるようになった。そこで、下記(1)(2)(3)の調査研究を行った。(1)すでに「農業科」の授業を履修した生徒と未履修の生徒の混在する喜多方市立中学校2年生を対象にアンケート調査を行い、結果は日本農業教育学会で発表した。引き続き詳細に分析する予定である。(2)3月に小学校6年生対象にアンケート調査を実施した。分析は平成24年度に行う。(3)「喜多方市小学校農業科作文コンクール」の『平成21年度作品集』に掲載された作文の分析をおこない、その結果は日本農業教育学会で発表した。さらに平成22年度・23年度の『作品集』掲載作文の分析を行う予定である。 (2)美唄市立小学校…全市で取り組む「農業体験学習」の実施前に、「農業体験学習についてのアンケート」を実施した。引き続き取り組みの情況を調査する予定である。 (3)練馬区立Y中学校…都市部の中学校における農業体験と「うどん作り教室」の取り組みを調べ、論文「食農教育の可能性と課題」が「帝京大学教育学科紀要」に掲載された。2.地域支援体制モデルについての調査 本年度は、美唄市と喜多方市の農業者・支援員数名から聞き取りした。教育委員会・農産課・農協などとの連携についても平成24年度に聞き取りをする予定である。3.教育的位置づけについて分析 「生活科」「家庭科」「技術科」「社会科」などの教育カリキュラムの観点からも体系的に捉え直し、教育的位置づけをついて分析を行うことは、平成24年度におこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)研究調査環境について…喜多方市、美唄市ともに教育委員会が全面的に調査に協力を得る事ができている。また、都市部の練馬区においても、農業者、区役所都市農業係、などの協力を得ることが出来ている。(2)研究目的1について…教育的効果については、すでに中学2年生、小学6年生を対象にアンケート調査を実施した。中学生調査の結果については、一部を日本農業教育学会で発表した。(3)研究目的2について…「地域性からの視点」による調査は、教育委員会、学校関係者、農業者、農業協同組合関係者などからの聞き取りをおこなってきた。24年度も引き続き実施する予定である。(4)研究目的3について…「地域社会と学校」について、喜多方、美唄、東京都練馬区で、地域と学校の連携・連携システムの構築情況について聞き取りをおこなっている。東京都練馬区の事例は「帝京大学文学部教育学科紀要」に発表した。美唄、喜多方については更に聞き取りを行い検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)アンケート調査の分析・検討をし、学会での発表、投稿論文の作成をおこなう。(2)「作品集」掲載の小学生の作文を質的に分析する。分析ソフトを使用しての分析は、専門家の指導を仰ぐ予定である。学会での発表、投稿論文の作成をおこなう。(3)地域との連携、地域性の視点からの研究のために、喜多方、美唄、東京都練馬区での聞き取り調査をおこなう。(4)喜多方市立農業科の調査では、1校(熱塩小学校)に焦点をあて、授業(実習も含む)後に、おこなったことを時系列で書き、その時思ったこと、考えたことを記述する活動を、言語活動の一環として実施してもらうことになった。ナラティヴ分析をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)美唄・喜多方での聞き取り調査をおこなう。 本年度は、美唄・喜多方の農業体験支援システムについて聞き取りをおこない、システムの概要、利点、課題、他の地域に応用できる点の明確化などをおこなう。そのため、美唄・喜多方でそれぞれ複数回、研究調査する予定である。そのための旅費、宿泊費として使用する。(2)研究成果の学会での発表 研究成果を日本農業教育学会、日本教育実践学会等で発表する予定である。その参加費、旅費、宿泊費として使用する。(3)研究報告書を作成予定であり、その費用として使用する。なお、研究する上で必要な、学校教育や幼児教育の現場における実践の状況を知るために教育雑誌の購入、研究協力校との実践・授業方法などの共同研究の資料としての視聴覚教材(DVDなど)の購入を予定していたが、発注がおくれ、そのための予算が残金となった。これらの雑誌・視聴覚教材は、H24年度に購入を予定している。
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