2011 Fiscal Year Research-status Report
知的・創造的英語コミュニケーション能力を伸ばす進学高校英語授業改革モデルの開発
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23531265
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
亘理 陽一 静岡理工科大学, 総合情報学部, 講師 (90509241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永倉 由里 常葉学園短期大学, その他部局等, 教授 (00369539)
三浦 孝 静岡大学, 教育学部, 教授 (30279989)
鈴木 章能 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (70350733)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 英語 / 教育学 / 英語授業改革モデル / コミュニケーション能力 / 進学高校 |
Research Abstract |
1)普通科高校における英語授業の改革の具体的モデルを示すことを目的として、それを可能にする新タイプの教材集の編集に着手した。まず、各メンバーが推選する豊かな内容の伝記・記録・スピーチ・手紙・論説・物語・映画・詩などを収集し、蓄積した教材候補を内容・対象レベル・テキスト構成・ジャンルの観点から分類・精選した。その内18本の教材を授業案の形に具体化し、相互批評を通じて最終的に16本の教材・授業案を集めた冊子(『平成23年度科研費助成事業「知的・創造的英語コミュニケーション能力を伸ばす進学高校英語授業改革モデルの開発」(課題番号23531265)研究成果中間報告書』、2012年3月)を作成した。2)多くの普通科高校で行われている文法訳読式の授業とドリル的補習授業の授業を克服して、本来のコミュニケーション能力を育て、なおかつ進路選択のニーズにも対応でき、しかも英語という教科の特徴を生かして生徒の知性を高められるような授業の要件について検討を重ねた。そのような授業は、(1)繰り返し味わうに足る教材を用いて、(2)教材について生徒の考えを問い、(3)生徒が疑問・意見・対案等を出し合い、(4)教材を生徒の調べ学習でintegrateし、(5)授業の目標を明確にする頂上タスクを設け、(6) 意味ある課題を通して重要文法概念をspiral的に学ぶ活動を取り入れることが必要であるとの仮説のもと、2012年3月4日にシンポジウム「Intelligenceを高める英語教育を求めて」(キャンパスプラザ京都)を開催した。改革的授業の担い手となる「英語教師の成長」という観点で柳瀬陽介准教授(広島大学)に講演を依頼し、1)で作成した教材案に基づく試行的実践について報告しながら、改革的授業のモデルを提示・意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画において掲げた2つの研究について、「研究A. 改革的授業を可能にする新タイプの教材集の編集」は『平成23年度科研費助成事業「知的・創造的英語コミュニケーション能力を伸ばす進学高校英語授業改革モデルの開発」(課題番号23531265)研究成果中間報告書』として結実し、標記の目標を達成したと言ってよい。「研究B. 高校での授業実践を通じた改革的授業プログラムの検証」については、十分な検証は次年度以降の課題となったものの、いくつかの教材・授業案について試行的実践が行われており、シンポジウムの開催やWebページを通じて議論の経過および成果は広く全国に還元されている。「実際に高校の授業において学習効果を確認した上で、その成果を出版物や研究発表会を通して広く全国に還元する計画である」という研究目的に照らして、「おおむね順調に進展している」と言ってよいものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究B(高校での授業実践を通じた改革的授業プログラムの検証)を進める。前年度に作成した授業方法の理論的解説に基づいて、具体的な授業プログラムを作成する。作成は、これまでに高校教師として様々な学校環境で質の高い授業を実践してきた研究協力者が、研究代表者・分担者と協力して行う。高校教員メンバーはこれを用いて各自の勤務校で授業実践を行い、メンバー全員で得られたデータを量的・質的に分析する。授業実践とその分析は、進捗に応じて平成25年度前期に継続して実施する。研究C(改革的授業法の教師用指導書、および高校生・一般向けの英語読本の作成)に着手する。前年度に作成した授業方法の理論的解説と、研究Aで編集した教材集とを関連づけ、教師用指導書の草稿を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品として、授業記録用のビデオカメラ一式(代表者の異動に伴うもの)と教材集の電子化に必要な機材を購入する。改革的授業プログラムの作成に必要な資料・書籍、その他消耗品を購入する。研究協議および研究成果の公表のために、旅費・謝金を支出する。
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Research Products
(10 results)