2011 Fiscal Year Research-status Report
「日本の伝統・文化の理解教育」における身体教材の開発-日本舞踊コアプログラム-
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23531267
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
畑野 裕子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (80167585)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日本の伝統文化 / 身体教材 / 日本舞踊 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多様な文化を尊重できる態度や資質を育む教育を目指し、「日本の伝統・文化」の理解教育における身体教材の開発として、日本舞踊コアプログラムを保健体育科・総合的学習・学校設定科目の試みとして作成し、実践的に検証することである。 本年度は、初年度として、「日本の伝統・文化」の理解教育、「身体教材」、「日本舞踊」とその教育に関する実践事例・資料等を収集した。その主なものをまとめると、次のようであった。「日本の伝統・文化」の中でも、身体動作を中心とした学習指導内容を取り上げている学校・園の実践事例について明らかになった。例えば、幼稚園において、「だんじり」を継承していくための「だんじりごっこ」の取り組みや、「お茶ごっこ」の取り組み例がみられる。小学校においては、クラブ活動としての浄瑠璃の実践事例がみられる。中学校においては、「立腰」「黙想」の徹底、茶道、和の旋律によるダンスなどに取り組んでいる実践事例がみられる。また、武道の必修化に伴い、新学習指導要領に例示されている3種目(柔道、剣道、相撲)とは異なるが、「杖道」や「なぎなた」を保健体育科の授業に取り入れた授業研究事例もみられる。高等学校においては、県立高等学校演劇科における狂言の指導事例、府立高等学校の音楽の授業における「能・謡」のワークショップ事例、一部の都立高等学校における専門家による日本舞踊の授業事例等、伝統芸能に関する実践事例が明らかになった。さらに、近年のモーションキャプチャーを用いた工学的な日本舞踊の動作分析研究についても、その概要を確認することができた。 このような実践事例・報告等の資料収集により、今後の「『日本の伝統・文化の理解教育』における身体教材の開発―日本舞踊コアプログラム―」の基礎となる貴重な資料を検討することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として、「日本の伝統・文化」の理解教育、「身体教材」、「日本舞踊」とその教育に関する実践事例・資料等を収集し、交付申請書に記載した研究目的をほぼ達成しているため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進については、現段階では、変更の予定はなく、交付申請書に記載した研究計画通りである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の研究計画の変更はなく、交付申請書に記載した研究計画通りである。したがって、次年度の研究費の使用計画に関しても、研究計画通りである。
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