2012 Fiscal Year Research-status Report
「日本の伝統・文化の理解教育」における身体教材の開発-日本舞踊コアプログラム-
Project/Area Number |
23531267
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
畑野 裕子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (80167585)
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Keywords | 日本の伝統・文化 / 身体教材 / 日本舞踊 |
Research Abstract |
平成24年度は、研究の2年目として、まず、初年度の結果をもとに、さらにその後に発表された新たな資料(「日本の伝統・文化」、「日本舞踊」とその教育に関する実践事例など)に関して、追加して収集することができた。これらの結果については、国内外の学会等において発表することができた。 また、その収集した資料において、グローバルCOEなどの大型の研究プロジェクトで、高額な機器装置であるモーションキャプチャーを用いて、工学系の学識のある研究者を交えて総合的に日本舞踊の基本動作の解析・分析がなされていた。しかしながら、本研究では、教育における教材開発を目的としていることから、桁違いの費用を要する高価な機器を用いる工学的あるいは力学的な科学分析とは一線を画し、教材開発に必要な知識・理解を深めるための動作解析を含めた所作資料の検討を当初から計画していた。 そこで、日本舞踊の基本的な所作(本研究者がこれまでに対象としていなかった未分析である動作)を取り上げ、基礎動作資料作成のために、熟練者を対象とした動作解析を試みた。その結果、日本舞踊の基本的な所作である「足の運び」に加え、上肢と頭部の振りを伴う身体動作(世にいう「東歩き」)に関して、計測部位やスティックピクチャーなどの分析を実施した。その結果、上肢と頭部の振りを伴う「足の運び」であっても、左右腸骨稜などの計測部位の変化が少ないことから、下半身の動作のぶれが少ないという特徴が示された。また、「足の運び」における膝の動きは、例えば、右足を前に出した場合、左膝が右膝の後ろに入り込むなどの特徴がみられ、重心を低く保った「腰を入れる」動作に依拠していることが明らかになった。以上の結果は、身体教材の試案作成「日本舞踊コアプログラム」(動作およびその解説)に生かされると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の2年目として、初年度収集した結果に加え、その後に発表された新たな資料(「日本の伝統・文化」、「日本舞踊」とその教育に関する実践事例など)に関して、追加して収集することができた。さらに、当初から計画していた日本舞踊の基本的な所作である世にいう「東歩き」の動作に関して、計測部位やスティックピクチャーなどの分析から動作の特徴を明らかにし、交付申請書に記載した研究目的をおおむね達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進については、現段階では、研究計画変更の予定はなく、交付申請書に記載した研究計画通りである。しかしながら、研究費の執行に関しては、当初の計画から若干の変更が生じている。すなわち、平成24年度に実施した研究結果について国際学会での発表を予定していたが、最適な国際学会(A joint conference of the Congress On Research in Dance (CORD) Special Topics and Dance Under Construction (University of California Dance Studies graduate student conference))の開催日が平成25年4月と年度をまたいだため、一部予算が次年度に繰り越すこととなった。それ以外の、次年度の研究費の使用計画に関しては、当初の研究計画通りである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前項で記載したように、研究費の執行に関しては、当初の計画から若干の変更が生じている。すなわち、平成24年度に実施した研究結果について国際学会での発表を予定していたが、最適な国際学会(A joint conference of the Congress On Research in Dance (CORD) Special Topics and Dance Under Construction (University of California Dance Studies graduate student conference))の開催日が平成25年4月と年度をまたいだため、一部予算が次年度に繰り越すこととなった。それ以外の、次年度の研究費の使用計画に関しては、当初の研究計画通りである。
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