2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531280
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小笠原 恵 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90345322)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 行動問題 / アセスメント |
Research Abstract |
本研究では、自傷・他害・物を壊すなど、さまざまな行動問題を示す発達障害児に対する効果的な支援計画を導き出すためのパッケージを開発する。専門家ではなく通常その子どもにかかわる支援者(教員、福祉施設職員、家族など)が実施するといった視点から、その有効性を検討することを目的としている。具体的には、以下の手続きを踏むこととした。1.行動問題が起こりやすい環境の明確化、2.効果的な支援計画を導き出すためのアセスメントパッケージの開発、3.複数事例に対するパッケージを用いた支援計画の立案と実施及び評価。 23年度は、(1) 特別支援学校を対象としたアンケートによる行動問題の実態調査を実施し、行動問題の起こりやすい環境の要因の抽出を試みた。807名の教師から、担任する2585名の子どもの行動問題とその環境に関する回答を得た。結果に基づき、行動問題に関する環境アセスメントを作成中である。こうしたアセスメントは、国内外にはこれまでに作成されていない。今後、妥当性等の検討を行う。(2) (1)の結果及びこれまでの研究より、行動支援計画を導き出すために必要な要因の整理を行い、行動のアセスメント及び生態学的アセスメントなどをパッケージ化した。さらに、(3) ホームページを立ち上げ、(1)と(2)により作成したアセスメントパッケージとその実践例、関連する支援技法の紹介を行った。ホームページで公表することにより、支援者が日常生活で効果的な支援を展開することが期待できる。(4) 特別支援学校において、行動問題を示す自閉症児2名に関連する支援を開始した。また、福祉作業所で1カ月に1回の定期的な行動問題を示す対象者の事例検討会を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特別支援学校を対象とした、行動問題の起こりやすい環境に関連するアンケートは実施し、結果に基づいたアセスメントの試案を作成中である。2年め以降に計画したように、先行研究からの妥当性の検討、また、アセスメントに基づいた支援計画を実施したうえでの妥当性の検討が残されている。さらに特別支援学校の結果を受けて、家庭や福祉施設等においても研究を展開する予定でいる。 立ち上げたホームページの実践例をさらに充実させることが必要である。 行動問題に関連した論文が紀要に1本、学術雑誌に1本掲載された。現在、学術雑誌に4本投稿中である。作成したアセスメントに関連する論文を作成し、公表することが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 子どもの生活文脈において、前年度までに開発したアセスメントパッケージを導入し、教員・保護者・福祉職員などに実施してもらう。さらに、子どもの実態に即した支援計画を立案し、生活文脈において導入する。子どもの行動変容と支援者からの評価により、その効果を明らかにする。家庭場面における実践は3ケース程度、児童福祉施設等における実践は3機関10ケース程度、学校における実践は2校3ケース程度を予定している。(2) ホームページには、継続してアセスメント結果をどのように支援計画に生かすのか、その方略について具体的事例を通して紹介する。(3) 開発したアセスメントパッケージについて、学会発表および学術論文にて公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)子どもの支援を実施するための教材作成用費用(2)子どもの支援の効果を検証するためのデータ収集・記録・分析用費用(3)成果を公表するための費用(ホームページおよび学会発表)
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