2013 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援学校の学校健康診断における聴力検査実施方法の検討
Project/Area Number |
23531284
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
加藤 哲則 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90510199)
|
Keywords | 特別支援学校 / 学校健康診断 / 聴力検査 / 重複障害 |
Research Abstract |
特別支援学校の学校健康診断の聴力検査の実施について検討するために,全国の特別支援学校の養護教諭を対象に,質問紙調査を実施した。その結果から全ての児童生徒に聴力検査が実施されていないことが明らかになった。 そこで特別支援学校在籍児童生徒の実態に見合った聴力検査実施方法を検討し,特別支援学校に在籍する児童生徒を対象に指こすり音を検査音とした聴性行動反応検査を試みた。方法は,3歳児健康診査等で実施されている指こすり音聴取検査を応用する形で実施した。特別支援学校在籍児童生徒が被検児であるので,検査音への聴性行動反応を観察者により把握することにした。対象は,研究に同意が得られた特別支援学校(肢体不自由)小学部在籍児童24名(48耳)であった。いずれも重複障害などの障害の状態により学校健康診断の聴力検査が行われていない児童であった。検査耳48耳のうち,41耳が検査音に対して何らかの反応を示した。反応を示した被検児は複数回の検査音呈示にも同様の反応がくり返し認められた。 さらに,指こすり音検査と他覚的検査の自動聴性脳幹反応検査を試行し,比較を試みた。対象は,特別支援学校(肢体不自由)に在籍し,研究に同意が得られた児童生徒50名(100耳)とし,指こすり音検査と自動聴性脳幹反応検査の両方が施行できた55耳を比較検討の対象とした。結果は,指こすり反応ありで自動聴性脳幹反応がPASSとなった耳が30耳,指こすり反応なしで自動聴性脳幹反応検査が要再検査となった耳が11耳,指こすり反応ありで自動聴性脳幹反応が要再検査となった耳が4耳,指こすり反応なしで自動聴性脳幹反応検査がPASSとなった耳が1耳,指こすり反応曖昧であった9耳の自動聴性脳幹反応の結果はPASSが2耳,要再検査が7耳であった。 よって,指こすり音聴取検査は,特別支援学校の学校健康診断聴力検査の実施方法としての有効性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)