2013 Fiscal Year Annual Research Report
学習到達度への発達障害の関与と効率的な学習支援システムの構築に関するコホート研究
Project/Area Number |
23531285
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川崎 聡大 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00444654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70322112)
後藤 多可志 目白大学, 保健医療学部, 講師 (50584231)
若宮 英司 藍野大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20426654)
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Keywords | 学習不振 / 学習障害 / 読解モデル / 読み書き |
Research Abstract |
根拠に基づいた学力向上、特に学習に困難をきたす事例に対しての支援を構築するために①要素的認知機能、言語ドメインに対して従属変数を読解並びに学力の関係を明らかにしモデル化した②学力・読解力低下を引き起こす要因について精査を加え個々の事例ベースでの掘り下げを行った③さらに昨年度実施した一部の学校に関する全体介入から、より汎用性の高い介入モデルを探るために今回検証された読解モデルに基づいた個別支援計画書を作成し、一部授業のアクセシビリティー化を試みた。今回、学力にはNRT、独立変数には包括的領域別読み能力検査(CARD)を用いた。 結果、読解・学力に関するプロセスモデルでは先行研究で散見されるるピラミッド型、線形型ではなく同一地域2182名を対象とした共分散構造分析の結果、緩やかな線形構造を持った相互干渉型の構造化モデルが示された。さらに交叉妥当化を図るために本年度、他県別サンプル(n=1102)、近隣地域別サンプル(n=320)に対してモデルを適合し共分散構造分析を実施し適合度を比較した。すべてのサンプルでRMSEAは0.08以下となり(大サンプルは0.20近辺)、AGFIも.91以上(大サンプルでは.990以上)と高い適合度を示し、今回得られたモデルの高い妥当性、普遍性が立証された。今回このモデルにより、読みの流暢性といった読解の基礎スキルがどの程度読解に影響しているのか明らかとなった。さらに読解力向上のためには語彙の量と意味の活用の二つのモジュールを設定する必要が示唆された。現在このモデルに従って介入実施可能小学校で全校生徒の一割に対して個別支援計画を策定し効果検証を開始している。
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