2013 Fiscal Year Annual Research Report
国連・障害者権利条約教育条項と特別学校の位置づけに関する比較教育学的研究
Project/Area Number |
23531292
|
Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
玉村 公二彦 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (00207234)
|
Keywords | 障害者権利条約 / 特別学校 / 特別支援学校 / 特別支援教育 / インクルーシブ教育 / インクルージョン / 比較教育 / 合理的配慮 |
Research Abstract |
2013年は、国連の障害者権利条約が採択されて7年目にあたる。国際的には、140ヵ国以上が条約を批准した。わが国も、2013年末に国会で条約の批准が承認され、1月20日に国連に寄託書を提出し、正式に批准を行った。また、2014年2月19日には、権利条約は国内的にも発効した。本年度については、以上を本研究の前提として以下の点が実績としてあげられる。 1.障害者権利条約の批准の状況をフォローし、国連での障害者権利委員会や締約国会議などにおける国際的な議論と情報の収集を行い、教育の分野での整理を行った。特に、オーストラリアの権利委員会への報告と審議を検討し、特別学校の位置づけや合理的調整の進捗状況を検討し、報告としてまとめた(「オーストラリアにおける障害者権利条約批准と特別教育の方向」)。 2.障害者権利条約における特別支援学校の位置づけに関して、特に、わが国における障害児教育の進展のなかで地域づくりを含む養護学校づくりの遺産を掘り起こし、インクルーシブ教育のなかに特別支援学校を位置づける問題の提起をまとめた(「戦後京都府における障害児教育の進展と学校づくり-京都府広報映画『人』(1968年)を中心に」「国連・障害者権利条約の批准とインクルーシブ教育-すべてのこどもにひとしく質の高い教育を保障する学校づくり」)。 3.日本における特別ニーズ教育のあり方の歴史と現状から、インクルーシブ教育を進めるにあたって学校内の研修の必要性を論究するとともに、インクルーシブ教育の構築事業への参加として豊中・茨木などのモデル地区の学校・教育委員会と意見交換し、問題提起を行うことができた。 4.東日本大震災を通して災害時における特別学校の役割や関連する災害弱者の問題についても検討し、特別学校や福祉施設の必要を提起した(「危機的限界状況としての自然災害と特別支援教育施設の役割」「東日本大震災と高齢者」)。
|
Research Products
(7 results)