2013 Fiscal Year Annual Research Report
弱視者等の読書評価と教材表示支援システムの開発と評価
Project/Area Number |
23531302
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
氏間 和仁 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80432821)
|
Keywords | 視覚障害教育 / ロービジョン / 弱視 / ICT / 教育的視機能評価 / 教材提示 / ソフトウェア |
Research Abstract |
【最終年度に実施した研究の成果】 最終年度は,「日用文字評価ツール」の作成・公開,および教材提示システムの開発を行った。「日用文字評価ツール」は,30文字の文章を,文章の内容と文字サイズを変更しながら読書し評価するものである。この手法はミネソタ大学のLegge教授が提案したものであり,文章の内容は氏間が小学生の配当漢字別に開発したものである。文字サイズを変えながら読書することで読書がスムーズに行える文字サイズと,そうではなくなる文字サイズがグラフ上で確認でき,各自の見え方に応じた文字サイズをグラフ上で確認できる。本ツールはiPadで利用できるアプリであり,AppStoreにて無料で公開中である。教材提示ツールは氏間が開発したHTML viewerを元に,iPadで動作するように開発を進めた。完成した教材提示ツールでは,ロービジョンの見え方に応じて文字サイズや配色,ルビの表示・非表示を設定できたり,音声で利用する生徒に対しては,漢字に代わってルビ情報を表示することにより,漢字の読み間違いをなくすことを実現している。これらのツールを利用して2箇所の視覚特別支援学校で模擬授業を実施し,測定ツールについては測定の実効性と,教材提示ツールについてはロービジョンと全盲の生徒が授業で利用できることを検証できている。 【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 本研究では,携帯端末(iPad)用の「日用視力測定ツール」「日用視野測定ツール」「日用読書測定ツール」を開発し,AppStoreにおいて無料で公開することができた。同時に,各ツールの測定結果の妥当性の研究を行い,学会等で報告している。教材提示ツールは,当初ロービジョンの視覚特性に応じた表示を実現することを目指していたが,音声ユーザーも利用できるツールの開発までも行うことができた点は想定を超えた成果である。
|