2011 Fiscal Year Research-status Report
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23531305
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
後藤 守 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (00002478)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 行動観察力 / 教職志望学生 / 子育て支援 / クリッカ-分析 / 関係力育成プログラム / PF-NOTEプロトタイプ / 振り返り |
Research Abstract |
本研究は、学校現場において重要な課題の一つである「かかわり行動に困難をきたす子ども達に対する教師の適切な対応を支える力量」の1つとして「行動観察力」に着目し、教職を目指す学生達にこの力量を形成させることを目的にした。ここでは、テクノロジーを活用して学生の「行動観察力」を可視化させ、その振り返りを通して、学生の観察力の精度を上げていくことにした。この振り返りのために、新しく開発された「反応収集提示装置(PF-NOTEプロトタイプ)中島(2008)」を活用し、クリッカ-分析をした。ここでは、後藤(研究代表者)が開発した関係力育成プログラム(行動空間療法)による実践を取り上げた。この教育的実践をVTRに録画し、「PF-NOTEプロトタイプ」を用いて、学生たちが重要と考えるシーンと熟達者が重要と考えるシーンをクリッカーによってそれぞれ特定させ、動画の時系列上に合わせてグラフ化し、それらをふり返り資料とした。 このようにして得られたデータにより、次の2点から学生の行動観察力を育成することができた。(1)学生によるロールプレィを通して、指導者役と子ども役の行動の何に学生たちが着目しているかを可視化し、ふり返りのポイントを明らかにした。(2)熟達者が重要と判断した可視化資料を作成し、グラフ上で学生と熟達者の結果の比較分析をし、その特徴的差異がどのような場面に表れているかを明らかにした。 これらの研究の成果は、「文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第2報)-PF-NOTEプロトタイプによる可視化資料を用いた学生の行動観察力の育成を通して-北海道文教大学研究紀要第36号、2012.3」にまとめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、学校現場において重要な課題の一つである「かかわり行動に困難をきたす子ども達に対する教師の適切な対応を支える力量」の1つとして「行動観察力」に着目し、教職を目指す学生達にこの力量を形成させることを目的にしている。 平成23年度において、研究の目的がおおむね順調に進められた。その理由について次の2点があげられる。(1)ロールプレィ体験を通して、関係力育成プログラムによる指導法をほぼ習得できる段階に達したこと。このことは、関係力育成プログラムの開発者とこの指導法の熟達者の2名が学生のロールプレィに参画し、学生がこの2名のプログラム経験者と活動を共にすることによって、より効果的にこの指導プログラムの学習が進められたことによる。(2)「反応収集提示装置(PF-NOTEプロトタイプ)」を活用することによって、学生自身の行動観察力が可視化されたことにより、自分たちの課題が明らかにされていたことによる。このことは、学生たちの可視化資料のグラフに熟達者の可視化資料のグラフをかさねることによって、さらに、効果的に振り返りが可能になったことによる。 これらについては、「文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第2報)-PF-NOTEプロトタイプによる可視化資料を用いた学生の行動観察力の育成を通して-北海道文教大学研究紀要第36号2012.3」、にまとめられている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究実施計画(第2次研究)(1)平成24年度入学生からの資料の収集及び可視化資料による振り返りの実施: 平成23年度入学生を対象にしたときと同様に、24年度入学生にも同様の手続きで、同一VTR資料を用いて、可視化資料の収集を行い、併せて、それらの資料に基づいて振り返りを実施する。 (2)研究対象: 北海道文教大学こども発達学科2011年~12年度入学生(3)平成23年度入学生から収集した可視化資料の比較分析: 第2次研究(平成24年度)では第1次研究で用いたVTR資料を用いて、(1)進級した2年生に再度実施し、可視化された資料をすでに収集している、1年生時代(平成23年度)の結果との比較、(2)熟達者(研究代表者)の可視化資料との比較分析と振り返りを実施する。(4)研究成果のまとめ: 23年度に収集した資料に基づいて論文を執筆し、学会誌等に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費の使用計画1.旅費関係(300,000円)は、学会発表旅費(日本特殊教育学会、日本教育心理学会、日本教育工学会等)、東北大学教育情報学部での資料の収集のための旅費及び東北大学の研究者を招聘し情報交換を行うための旅費に充当される。2.人件費・謝金(250,000円)は、収集されたVTR資料の分析担当者への謝金、助言指導講師への謝金等に充当される。3.その他(150,000円)は、研究の遂行に使用される消耗品等に使用される。
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