2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531305
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
後藤 守 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (00002478)
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Keywords | 行動観察力 / 教職志望学生 / 子育て支援 / クリッカ-分析 / 関係力育成プログラム / PF-NOTEプロトタイプ / 振り返り |
Research Abstract |
本研究は、学校現場において重要な課題である「かかわり行動に困難をきたす子どもたちに対する教師の適切な対応を支える力量」の1つとして「行動観察力」に着目し、教職を目指す学生達にこの力量を形成させることを目的にした。ここでは中島 平(東北大学大学院教育情報学研究部)の開発した「反応収集提示装置(PF-NOTEプロトタイプ)」を活用した。その結果、平成24年度は、以下の4編の論文が研究の成果として発表した。 研究実績の第1は、「クリッカ-を活用した臨床観察学習の効果」に関する研究に代表される。本研究では、教員養成系大学院の院生を対象にして、クリッカ-の活用の有効性を検証した。その結果、①「意図的観察」を支援する学習効果の確認、②「個人内一貫性」が身についていないことを学習者が自発的に認識できる学習効果の確認、③クリッカ-を活用すると、同時に複数の観察者の視点を可視化できるので、学習者が他者の視点に興味関心を持てるという学習効果の確認、の3つの学習効果の確認情報が得られた。この研究の成果は日本教育工学会論文誌36巻第3号に掲載された。 第2は、「子育て支援のための関係力育成プログラム」をベースにした実践の成果の検証をクリッカ-を用いて検証したものである。本研究は特に、教職志望学生を対象にしたクリッカ-分析を試みた。それらの成果は、「子育て支援のための関係力育成プログラムに関する研究-可視化資料による学生の行動観察力の育成を通して- 学校臨床心理学研究、第10号)及び「文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第3報)-教職志望学生の行動観察力の育成のための「関係力育成プログラム」について-北海道文教大学研究紀要第37号」に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、学校現場において重要な課題の一つである「かかわり行動に困難をきたす子ども達に対する教師の適切な対応を支える力量」の1つとして「行動観察力」に着目し、教職を目指す学生達にこの力量を形成させることを目的にしている。 平成24年度において、研究の目的がおおむね順調に進められた。その理由について次の2点があげられる。 (1)ロールプレィ体験を通して、1年生及び2年生が、「関係力育成プログラムによる指導法」をほぼ習得できた段階に達し、実際に子ども達との保育実践の段階に移行し始めたこと。このことは、関係力育成プログラムの開発者とこの指導法の熟達者の2名が学生のロールプレィに参画し、学生がこの2名のプログラム経験者と活動を共にすることによって、より効果的にこの指導プログラムの学習が進められたことによる。 (2)「反応収集提示装置(PF-NOTEプロトタイプ)」を活用することによって、学生自身の行動観察力が可視化されたことにより、自分たちの課題が明らかにされて来ていることによる。このことは、学生たちの可視化資料のグラフに熟達者の可視化資料のグラフをかさねることによって、さらに、効果的に振り返りが可能になったことによる。 これらの点については、「文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第3報)-教職志望学生の行動観察力の育成のための「関係力育成プログラム」について-北海道文教大学研究紀要第36号2013.3」、にまとめられた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究実施計画(第2次研究) (1)平成24年度入学生からの資料の収集及び可視化資料による振り返りの実施: 平成23年度入学生を対象にしたときと同様に、24年度入学生にも同様の手続きで、同一VTR資料を用いて、可視化資料の収集を行い、併せて、それらの資料に基づいて振り返りを実 施する。 (2)研究対象: 北海道文教大学こども発達学科2011年~12年度入学生 (3)平成23年度入学生から収集した可視化資料の比較分析および実践場面の資料分析:第2次研究(平成24年度)では第1次研究で用いたVTR資料を用いて、①進級した2年生に再度実施し、可視化された資料をすでに収集している、1年生時代(平成23年度)の結果との比較、②熟達者(研究代表者)の可視化資料との比較分析,③ロールプレィと合わせて実際の子どもとの保育実践場面のクリッカ-による振り返りを実施する。 (4)研究成果のまとめ: 24年度に収集した資料に基づいて論文を執筆し、学会誌等に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費の使用計画 1.旅費関係(300,000円)は、①学会発表及び資料収集旅費(日本特殊教育学会・日本教育心理学会・日本教育工学会・日本福祉学会等)、②東北大学教育情報学部での資料の収集及び研究打合せのための旅費、及び③東北大学の研究者を招聘し情報交換を行うための旅費に充当される。 2.人件費・謝金(250,000円)は、収集されたVTR資料の分析担当者への謝金、研究協力者(母親アドバイザー・学生協力者・助言指導講師等)への謝金等に充当される。 3.その他(350,000円)は、研究成果報告書の作成および研究の遂行に使用される消耗品等に使用される。
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Research Products
(10 results)