2012 Fiscal Year Research-status Report
幼児期のコミュニケーション能力の評価指標の作成と言語支援
Project/Area Number |
23531307
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
瀬戸 淳子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (70438985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦野 悦子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (50114921)
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Keywords | :言語コミュニケーション能力 / 幼児期 / 評価 / 特別ニーズ保育児 / 言語支援 / 保育支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は幼児期の保育・教育の中で必要とされるコミュニケーションの能力の評価指標を作成することである。24年度は以下の研究を行った。 1.保育者用の保育場面における言語・コミュニケーションアセスメントシートの作成 明らかな知的遅れはないが、保育困難が顕著な3~5歳児の保育者を対象に実施した質問紙による実態調査で、保育者が一番気になることとして言語面に関する記述があった保育者の自由記述と、行動に関する既存の質問紙項目をもとに、「会話」「指示理解」「言語理解」「言語表出」「表出面の特徴」「気持ちの言語化」からなる、保育者用の「保育場面における言語・コミュニケーションアセスメントシート」を作成した。保育者がこのアセスメントシートを用いることで、保育困難をもつ子どもの言語・コミュニケーション面の行動を分析的に把握することが可能となり、ニーズに沿った支援に結びつきやすいと考えられる。 2.コミュニケーション能力評価課題の作成、および調査の実施 保育場面で言語・コミュニケーションに困難さがみられた子どもを対象に、23年度、24年度実施した予備研究によると、個人の言語・コミュニケーション能力の特性を明らかにすることが支援にとって有効であることが示唆された。しかし、談話レベルの言語表出を評価する課題は既存のテストでは限られているので、新たに「ナラティブ課題(5課題)」を作成し「日常的質問課題」「文復唱課題」と併せて7課題からなるコミュニケーション能力評価課題を作成した。作成したコミュニケーション能力評価課題、および言語発達検査(LCスケール)を用いて、健常の年少児から年長児60数名に対し個別調査を実施した。次年度は、実施した調査結果の分析をもとに、コミュニケーション能力評価課題の精査を行い、年齢幅を広げてデータの収集を行い、言語・コミュニケーション能力の発達の実態を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
談話レベルの言語表出を評価する課題は既存のテストでは限られているので、昨年度新たに「ナラティブ課題(5課題)」を作成し「日常的課題」「文復唱課題」と併せて7課題からなるコミュニケーション能力評価課題を作成したが、ナラティブ課題の開発、選定、作成、構成、方法等、調査内容の確定に時間がかかった。また、調査の対象園、対象児、調査補助者との日程調整等の準備に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.「保育場面における言語・コミュニケーション アセスメントシート」の実用化に向けて 昨年度作成した保育者用の「保育場面における言語・コミュニケーションアセスメントシート」を実際に、保育巡回相談の対象となった3~5歳児クラスの特別ニーズ保育児の保育者に使用してもらう。その結果と、巡回相談での集団保育場面、個別検査場面との比較分析を行い、データを集積しながら、日常の保育支援にどのように結びつけていくかを検討しまとめる。 2.言語・コミュニケーション能力の発達の実態を明らかにする。 昨年度実施した調査結果の分析をもとに、コミュニケーション能力評価課題の精査を行い、年齢幅を広げてデータの収集を行う。収集された談話場面のデータについて、テーマや内容、生産性、結束性、整合性等のナラティブ分析、語用論的分析を行なう。また、既存の言語発達検査(LCスケール)との対応を分析する。これらの分析をもとに、幼児期の言語・コミュニケーション能力の発達の実態を明らかにする。また、談話レベルの言語表出を評価する課題は既存のテストでは限られているので、昨年度新たに「ナラティブ課題(5課題)」を作成し「日常的質問課題」「文復唱課題」と併せて7課題からなるコミュニケーション能力評価課題を作成したが、調査結果をもとに方法、課題を検討し、特別ニーズ児の言語・コミュニケーション能力の評価課題としての実用化の分析検討も行う。 3.以上の研究結果を研究成果報告書にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:約20万 (資料分析、編集作業のためのパソコン関連物品の購入。書籍の購入) 旅費 :約20万 (研究成果公開、及び関連する研究情報収集のための旅費) 人件費・謝金:約60万 (調査、調査の録音録画記録の文字化と編集分析、調査資料の 入力・分析・整理、など研究協力補助を行う研究協力者、研究補助者への謝金) その他:約30万 (研究報告書のための印刷費と通信費(切手類))
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