2011 Fiscal Year Research-status Report
一般大学における聴覚障害学生教育支援と専門資格取得支援用eラーニング教材開発
Project/Area Number |
23531310
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金 炯秀 日本大学, 理工学部, 助手 (00440040)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 聴覚障害学生 / 教育支援 / 専門資格取得支援 / eラーニング / CATIA認定技術者 |
Research Abstract |
本研究では、(1)聴覚・視覚障害者のみを受け入れる大学以外の大学(以下、一般大学)でも聞こえの不自由な学生(以下、聴覚障害学生)の円滑な受け入れと教育実施のための教育環境構築、(2)卒業後の自立や社会進出をサポートするための専門資格取得支援用eラーニング環境構築と教材開発を目的とする。 本年度は、聴覚障害学生が音声認識ソフト搭載ノートPCを持参し授業を受ける際の状況を想定した実験を行い、講師の音声がリアルタイムでテキストに変換できることを検証した。しかし、講師の音声から変換されたそのテキストでは、授業内容を理解するのが困難であり、理解度を上げるためには、本研究で提案している授業風景の録画映像に授業内容のテロップを加えた動画などを活用するのがとても効果的であることも分かった。授業風景の具体的な撮影・編集(テロップ付き)作業は次の手順で行なった。(a)授業風景を撮影、(b)同時に音声をテキストに変換するシステムを利用し、講師の音声をリアルタイムでテキストに変換、(c)テキスト修正後、撮影した映像にテロップ付加、(d)テロップ付き動画を映像配信に適したファイル形式(MPEG-4)に変換する。本年度は機械系5教科について収録を行なった。 次に、「機械系学生のための3次元CAD専門資格取得支援用eラーニング環境構築と教材開発」に着手した。本課題で取りあげる3次元CAD専門資格は「CATIA認定技術者」資格で、本年度は「Part Design Specialist」について実際の操作画面などをキャプチャーし、解説などのテロップを付加した動画テキストを製作し、本学eラーニングサーバーのWebClassとMoodleに公開した。また、「CATIA認定技術者」資格特有の試験形式を充実に再現した模擬試験システムをWebClassに公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(a)講師の音声からテキストへの変換率が思ったより良くなかったので、授業風景を撮影した映像にテロップを加える作業に大変苦労をした。また、授業内容のテロップを付加した映像(動画)をWebサーバーに公開予定で、その準備の段階でテストを行なったが、容量が少ない映像については、再生に問題はなかったが、容量が大きい(500MB以上)映像は円滑な再生ができなかった。(b)テロップ付き動画を映像配信に適したファイル形式(MPEG-4)に変換する(以下、エンコード)のに時間がかかり過ぎた(映像1時間分当り約20時間程度)。 その他の課題については、当初予定している計画・方法通り遂行できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
容量が大きい(500MB以上)映像の円滑な再生に向けた対策としては、現行のWebサーバーからストリーミング配信サーバーに変更する予定である。映像配信専用のサーバーを導入することにより大容量の動画(授業風景映像)も円滑な再生が期待できる。また、映像のエンコード作業の効率化を図るためにハードウェアエンコードボードを導入する。その他の課題については、当初予定している計画・方法通りに遂行する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
テロップ付き動画をストリーミング配信に適したファイル形式(MPEG-4)に変換するのに、時間がかかりすぎる(映像1時間分当り約20時間程度)ので、作業効率を上げるためにハードウェアエンコードボードの購入を検討する。また、5時限、6時限の授業撮影にはより明るいレンズでの撮影が望ましいことも分かったので、レンズの購入も検討する。
|