2013 Fiscal Year Annual Research Report
一般大学における聴覚障害学生教育支援と専門資格取得支援用eラーニング教材開発
Project/Area Number |
23531310
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金 炯秀 日本大学, 理工学部, 助教 (00440040)
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Keywords | 聴覚障害者・学生 / 教育支援 / 専門資格取得支援 / eラーニング |
Research Abstract |
本研究では、①聴覚・視覚障害者のみを受け入れている大学以外の大学(以下、一般大学)でも聞こえの不自由な学生(以下、聴覚障害学生)の円滑な受け入れと教育実施のための教育環境構築、②卒業後の自立や社会進出をサポートするための専門資格取得支援用eラーニング環境構築と教材開発を目的とする。 本年度も昨年同様、聴覚障害学生が音声認識ソフト搭載ノートPCを持参し授業を受ける際の状況を想定した実験を繰り返し行った。講師の話す速度や教室の音響システムの状態によって、講師の音声からテキストへの変換率にかなりのばらつきが発生することが確認された。 次に、「機械系学生のための3次元CAD専門資格取得支援用eラーニング環境構築と教材開発」の研究を完結した。本課題で取り上げる3次元CAD専門資格は「CATIA認定技術者」資格で、本年度も学内機械系学生を対象に「CATIA認定技術者」資格取得講座を開催した。8月5日~9月13日の間、21日間に及ぶ講習と本課題で開発したeラーニング教材を活用した結果、パート・デザインスペシャリストでは196名、アセンブリ・デザインスペシャリストでは112名と合計308名が3次元CAD専門資格を取得した。今後、本課題で作成したeラーニング教材を聴覚障害者・学生への公開する予定である。 最後に、聴覚障害者・学生を対象に、本学部コンピュータ演習室で資格取得講座の開催を想定し、実際に行う講習形式で実験を行った。講師の説明をテキストに変換し、その内容を中間モニターやコンピュータ演習室に備え付けのプロジェクターに映しながら実際の講習を再現した。また、講師を手伝うアシスタントにはタブレット端末を首にぶら下げて受講者の質問にも対応できるように配慮した。この実験は順調に終わり、今後本学部で行う予定の3次元CAD専門資格取得講座に大いに期待する。
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