2012 Fiscal Year Research-status Report
社会性の発達を促す子育て支援における行動コンサルテーションの効果
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23531311
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
竹内 康二 明星大学, 人文学部, 准教授 (00400656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 淳一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60202389)
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Keywords | 発達障害 / QRS / Conners3 |
Research Abstract |
平成24年度では、公立小学校の情緒障害学級 (通級) に通う発達障害児の保護者を対象に、保護者のストレスを調べる質問紙とConners3の2種類の検査を行い、保護者のストレスと子どもの行動特徴の関係を明らかにすることを目的とした。 保護者のストレスを調べる質問紙としては、稲浪・小椋・ロジャーズ・西(1994)が障害のある子どもを育てる親のストレスについて、多角的に測定することを目的に開発したQuestionnaire on Resources and Stress (QRS) 簡易版を用い、子どもの行動特徴を詳細に分析するための比較的新しい質問紙としてConners3TM日本語版を用いた。 その結果、保護者のストレスととても高い相関が見られたのは子どもの多動性・衝動性という特性であり、ある程度の相関があったのは実行機能、攻撃性、友人関係であった。一方、相関が見られなかった特性は不注意と学習の問題であった。結果からは、保護者のストレスと子どもの多動性・衝動性に相関があるということが分かっただけで、因果関係まで明らかになったわけではないが、子どもの多動性・衝動性が保護者ストレスを高めた可能性や、逆に保護者ストレスが子どもの多動性・衝動性を高めた可能性が示唆された。今後の課題として、さらにデータを蓄積し、相関関係だけでなく保護者のストレスに影響する子どもの行動特徴について因果関係の検討をする必要があるだろう。また、そうした分析からストレスの原因別に子育てを支援する方法を提案する必要があるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いわゆる親のストレスは子どもの発達的要因だけでなく社会的環境やサポート資源とも関係が深いことが示唆されているが、具体的にどのような子どもの行動特徴が親のストレスに関連しているのかを詳細に検討した研究は少ない。発達障害と言っても、個々の子どもが示す行動特徴は多様であり、一概に親のストレスが高いということはできないと思われる。親のストレスの原因を子どもの障害に帰属させるのではなく、子どもの示す特定の行動特徴に求めなければ、親のストレスに対しての焦点の定まった支援を検討することができない可能性がある。こうした問題を受け、24年度には、発達障害児の保護者を対象とした調査研究を行い、保護者のストレスと子どもの行動特徴の関係を検証することができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、発達障害児の保護者グループを対象に、開発した支援プログラム研修を行い、その効果を検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の成果について国際学会での発表を行うための旅費として研究費を使用する。また、保護者対象の実践研究を実施するため、参加者への謝金、研究協力者への謝金として主に使用する。
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Research Products
(4 results)