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2011 Fiscal Year Research-status Report

発達障害・視覚障害児支援の共通教材開発と検証-触ってわかる教材で頭を鍛える-

Research Project

Project/Area Number 23531320
Research InstitutionKobe Shoin Women's University

Principal Investigator

藤本 浩一  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (10156911)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 利和  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20200826)
竹内 伸宜  神戸海星女子学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80216853)
林 照子  園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (30434921)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords触覚教材 / 発達障害 / 視覚障害 / ワーキングメモリー
Research Abstract

研究の目的は発達障害児・視覚障害児に共通利用できる認知訓練教材の開発とその効果の検証であった。 教材作成にあたり、まずは既に我々が実践し知能テストにも新しく取り入れられた行列推理(図形マトリクス)に着目し、購入した立体コピー機にて試作した。それを視覚障害児および晴眼の発達障害児に個別に実施したところ、両者の課題解決方略の相違点・共通点が浮き彫りになり、成果を日本発達心理学会や日本特殊教育学会で数度の学会発表を行った。相違点としては視覚障害児は触覚教材の探索がシステマティックに行えるのに対して、アイマスクによる閉目の晴眼児はたどたどしい手つきで教材独自の練習が必要であったこと、共通点として、触覚・視覚の教材の区別に関係なく知的に遅れのある子どもは類推が難しかったことである。また、閉目晴眼の発達障害児が集中して課題に取り組めたことは、この触覚教材が課題に集中させる効果があることがわかった。 学会発表会場にて複数の視覚障害支援教員から教材の利用について相談があった。現在は比較的高価な特殊プリント紙および立体コピー機を使用することから普及に制約があるので、今後より一般的に利用してもらえるよう工夫が必要である。また、予備実験程度の段階なので、マニュアルおよび介入パラメータの作成は次年度に持ち越した。立体コピー機の凹凸に限界があるので、今後は真空成型機の有効利用を図る必要がある。 触覚版の内容を踏まえて、その前段階あるいはそれと独立に使用できそうな視覚教材の媒体を試作した。PCで各自のペースで訓練できる簡単なソフトをパワーポイントで作成し、また、単語カード式にめくりながらワーキングメモリーを鍛える目的の教材も開発中であり、現在効果の検証実験を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

教材作成およびそれを用いた予備実験については、立体コピー機を駆使して触覚教材を多数作成し、視覚障害児および晴眼発達障害児数十名に実験を行うことが出来たので、ほぼ目標を達成した。効果の検証という意味ではそこまでは出来ていないので100%とは言い難いが、ある程度課題毎の難易度の設定も見通せたので、あと2年の研究期間の基礎固めが出来たといえる。 マニュアル作りと介入パラメータの作成を1年目の目標として掲げたが、単に教材を綿密に準備するというだけでなく、理論的背景として、ワーキングメモリーを鍛えるという点が濃厚になってきたので、そちらの方向にややシフトする形で教材の工夫を行うようになり、当初の触覚教材のマニュアル等の整備に特化した目的からやや発展した形になっている。 学会発表を複数の学会で行うことができ、情報を発信することが出来た点は評価できる。 当初予定した図形中心の行列推理から、ワーキングメモリー訓練教材として知られるn-back課題にヒントを得たカード式の新しい教材の開発を手掛けるようになった。その内容は、ジャンケンに代表される3すくみをランダムに並べて順次カードをめくり、現在の手を直前の手と比較して勝ち負けを判断するものである。これは当初計画した行列推理の触覚版と並んでかなり独創的であり、また、視覚障害児者にも利用可能な形にできて今後期待されるので、はじめの計画が完全には充足されない反面、研究の発展性が出てきたものとして評価したい。

Strategy for Future Research Activity

第一に、作成した触覚版行列推理の教材をより広く実施し、効果を検証する。A4版で作成していたのでその続きを行うことに加えて、比較的大きなカード式にして順次自分でめくって実施する形も準備したい。それらを晴眼発達障害児および視覚障害児に実施し、難易度を調べ、訓練として有効になるように詳細な実施マニュアルを作成したい。また、結果を評価する基準の作成も視野に入れる。 第二に、カード式教材について組織的な検証実験を深めて、普及への準備を行いたい。ある程度効果が検証できた段階で、研究代表者または分担者の所属する大学の附属中高にて、例えば朝の10分程度に全生徒一斉にカード式の教材にて訓練を行い、全体の認知レベルの底上げが出来るような教育を試してみたい。 第三に、教材を一般にダウンロードして使えるような仕組みを構築し、特別支援学校などで試してもられるように準備する。 第四に、真空成型機を使って、より凹凸のある類推課題を作成し、新しいタイプの認知訓練教材を開発する。 以上の成果を学会発表ないし投稿論文として情報発信する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

触覚版行列推理の教材を多量に作成するために、比較的高価なカプセルペーパーを多数必要とする。また、研究分担者に立体コピー機がもう1台あれば相互に教材を作成・工夫できるので購入を予定している。 カード式教材の作成にあたり、消耗品が必要になり、また、3すくみのイラストをつくる上でデザイン料が発生する。 各種学会参加の出張旅費と、研究分担者には国際学会出張予定があり、旅費を必要とする。 作成した教材をweb上でダウンロードできるように、サーバー一式を準備すべく、ある程度の金額を計上している。 その他必要に応じて記録用のビデオカメラ等に充当する費用が必要となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 発達障害・視覚障害支援に共通の触覚教材の開発(1)2012

    • Author(s)
      藤本浩一 竹内伸宜 山本利和 林照子
    • Organizer
      日本発達心理学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2012年3月9日
  • [Presentation] 触覚マトリクス教材の可能性を探る2011

    • Author(s)
      山本利和 藤本浩一 竹内伸宜 林照子 芦塚英子
    • Organizer
      日本特殊教育学会
    • Place of Presentation
      弘前大学(青森県)
    • Year and Date
      2011年9月24日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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