2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540002
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
別宮 耕一 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (60364684)
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Keywords | 群論 / 代数的符号理論 / 頂点作用素代数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで得られた立方重偶符号に関する計算機による数値実験の結果、及び、分類結果から得られた知見を基に立方重偶符号についての一般論を確立することである。加えて、その結果を立方重偶符号との強い関係が見い出されている頂点作用素代数についての研究に応用することで、頂点作用素代数についての新たな知見が得られることを期待している。 まず、研究代表者と共同研究者による先行研究の結果として、長さ48の極大立方重偶符号の分類が得られている。これは極大立方重偶符号の性質を調べ上げることを通して、アルゴリズムを考案し、計算機を用いることで分類がなされている。その結果、それまでの規則性に反する新たな極大立方重偶符号の存在を確認するに至った。その極大立方重偶符号は、三角グラフと呼ばれる古典的なグラフの隣接行列から生成される符号を拡張したものであり、その次元は他の極大立方重偶符号と比較して規則性から外れた性質を有していた。 本年度はこれまでの研究成果を共同研究者の宗政昭弘氏との共著という形で On triply even binary codes というタイトルにて学術雑誌 Journal of the London Mathematical Society に発表した。加えて、同様の手法を重偶符号の分類に用いることで長さ40の重偶自己双対符号の分類を与えることに成功した。本研究は共同研究者の原田昌晃氏と宗政昭弘氏との共著という形で A Complete Classification of Doubly Even Self-dual Codes of Length 40 というタイトルにて学術雑誌 The Electronic Journal of Combinatorics に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、立方重偶符号が備える三次形式の構造が立方重偶性の解明につながる構造として有望であると考え、二元体上の三次形式の備える性質の解明を通して、立方重偶符号の解明に繋げていく計画であったが、三次形式の構造は予想していたより複雑であったため、当初の見立て通りには成果が得られていない。そのため、重偶自己双対符号の分類から研究を進展させる方向に転換を模索している。
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Strategy for Future Research Activity |
極大であると期待している立方重偶符号について、コンピュータを活用した方法と、組合せ論、群論などの手法を用いた理論的な方法との両面からその極大性の検証を進めていく。同時に様々な組合せ構造との関連を模索することを通して、立方重偶符号の解明に繋げていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、設備備品費として、数値実験に必要な数式処理ソフトウェアの購入、計算機の周辺機器の購入を予定している。また、国内旅費として、研究代表者が研究協力者との打合せを行うために用いる他、情報収集のを目的とした研究集会参加のために用いる。同時に研究協力者との情報交換の場でもある東北大学で行われる「組合せ論セミナー」に参加することを計画している。
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Research Products
(5 results)