2011 Fiscal Year Research-status Report
パラフェルミオン代数に付随する頂点作用素代数の研究
Project/Area Number |
23540009
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山田 裕理 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50134888)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 頂点作用素代数 / パラフェルミオン代数 / アフィンリー代数 / 国際研究者交流 / ブルガリア / アメリカ / 台湾 |
Research Abstract |
アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタンとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数は、W代数の重要な例であり、従来より様々な方向から研究されてきた。本研究は、Dong-Lam-Yamada(2009年)で計算された作用素積展開および特異ベクトルに基づき、パラフェルミオン頂点作用素代数の理解を深めることが目的である。Dong-Wang(2010年)により、任意の有限次元単純リー代数に付随するアフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタンとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数は、個々のルートに対応する階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数により生成されることが知られている。したがって、階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数の表現論を整備することが重要である。平成23年度では、階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数について、そのC2有限性に焦点を絞って研究を行った。 具体的は研究成果は以下の通りである。1.null field を詳しく調べ、そのC2代数における意味を明らかにした。2.特異ベクトルのC2代数における像を具体的に記述することに成功した。3.これらの情報と作用素積展開を基にして、C2有限性を証明した。 研究成果は、ブルガリア科学アカデミーの国際研究集会(2011年6月21日)、台湾中央研究院の国際研究集会(2011年12月22日)、京都大学数理解析研究所の研究集会(2012年3月6日)などで発表した。なお、研究成果の概要をブルガリア科学アカデミーの国際研究集会報告集原稿として投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的のひとつである、階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタンとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数について、そのC2有限性を証明することができた。さらに研究の過程で、当初予想していなかったパラフェルミオン頂点作用素代数の新しい性質についても明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタンとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数について、平成23年度の研究成果を踏まえてC2代数を詳しく研究することにより、パラフェルミオン頂点作用素代数の既約表現に関する知見を得ることを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度には、PC関連用品が当初計画より安価であったこと、および書籍購入の経費がなかったことにより次年度使用額が生じた。平成24年度では研究成果発表旅費とコンピュータ関係経費を充実させる計画である。
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