2012 Fiscal Year Research-status Report
パラフェルミオン代数に付随する頂点作用素代数の研究
Project/Area Number |
23540009
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山田 裕理 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50134888)
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Keywords | 頂点作用素代数 / パラフェルミオン代数 / アフィンリー代数 / 国際研究者交流 / 台湾 / 中国 / アメリカ |
Research Abstract |
アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタントとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数は、W代数の重要な例であり、従来より様々な方向から研究されてきた。本研究は、Dong-Lam-Yamada(2009年)で計算された作用素積展開および特異ベクトルに基づき、パラフェルミオン頂点作用素代数の理解を深めることが目的である。Dong-Wang(2010年)により、任意の有限次元単純リー代数に付随するアフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタントとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数は、個々のルートに対応する階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数により生成されることが知られている。したがって、階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数の表現論を整備することが重要である。 平成24年度では、階数1のA型アフィンリー代数の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数について、その基本的な性質を詳しく調べるとともに、既約加群を分類し、さらに階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現のなす頂点作用素代数との関係を解明した。この研究成果を荒川知幸、Ching Hung Lam との共著論文にまとめ、プレプリントサーバに arXiv:1207.3909 として公表した。また、上海交通大学での国際研究集会(2012年8月26日)、筑波大学での国際研究集会(2012年9月14日)、京都大学数理解析研究所での国際研究集会(2013年1月7日)などで研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的のひとつである、階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタントとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数について、当初予想していた性質をすべて証明し、既約加群を分類することができた。さらに、階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現のなす頂点作用素代数との関係について、当初計画になかった興味深い結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
階数1のA型アフィンリー代数の可積分表現におけるハイゼンベルグ代数のコミュタントとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数については、平成24年度までに当初想定していたことはすべて証明できたので、アフィンリー代数の階数が2以上の場合のパラフェルミオン頂点作用素代数について研究を進める。また、今までに得られたパラフェルミオン頂点作用素代数に関する知見を、他の関連する頂点作用素代数の研究に応用することも考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、コンピュータ関係の経費が当初計画より少なかったこと、および書籍購入の経費がなかったことにより平成25年度使用額が生じた。平成25年度では研究成果発表旅費を充実させる計画である。
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