2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島倉 裕樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90399791)
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Keywords | 頂点作用素代数 / モンスター / 格子 / 自己同型群 / 枠付頂点作用素代数 / グラフ |
Research Abstract |
本研究の目的は中心電荷24の正則頂点作用素代数の構成と分類を Schellekens のリー代数に関するリストを基にして行う事である。特に、予想されている71個の構成とそれに限ることの証明を行い、モンスターの位数を割り切る最大の素数が 71 であることとの関連を見つけようとする研究である。 本年度は昨年度に行った枠付正則頂点作用素代数の構成及びリー代数構造の分類をさらに発展させて、頂点作用素代数としての分類を中央研究院(台湾)の Lam 氏と共同で行った。特に、中心電荷24の枠付正則頂点作用素代数構造がリー代数構造によって、一意的に決まることが証明できた。これは、分類問題を解決するために重要な結果である。また、ある種の枠付頂点作用素代数の符号による構造の一意性についても示しており、枠付頂点作用素代数の研究への応用が期待される。これらの結果は論文「Classification of holomorphic framed vertex operator algebras of central charge 24 」にまとめて、現在投稿中である。 また、階数 32 の Barnes-Wall 格子頂点作用素代数に Z_2 軌道体構成法を適用して得らた中心電荷 32 の枠付正則頂点作用素代数の自己同型群構造を決定した。そのために、 Griess 代数上に自己同型を用いてグラフ構造を導入し、その対称性を用いている。この研究成果は、さらに中心電荷の高い正則頂点作用素代数の研究を行う上での参考になる。これら結果は論文「The automorphism group of the Z_2-orbifold of the Barnes-Wall lattice vertex operator algebra of central charge 32」にまとめて、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標の一つである中心電荷 24 の枠付正則頂点作用素代数の分類が完成したため、順調に進展している。さらに、研究の遂行中に副産物として、ある正則頂点作用素代数の自己同型群の決定も行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、中心電荷 24 の枠付でない正則頂点素代数の構成を目指す。その一つの方針として、Z_3 軌道体構成法による構成を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り変更なし
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