2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540014
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岸 正和 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40270996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水澤 靖 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60453817)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | グラフのラプラシアン / チェビシェフ多項式 / 楕円曲線 / 円分多項式 / 終結式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つは各種グラフの系列から定まるラプラシアンの核空間の次元の数論的振舞を解明し数論的解釈を与えることである。パスグラフのデカルト積およびサイクルグラフのデカルト積の場合に二つの大きな結果を得た。(1)p=2の場合の結果を任意の素数pの場合に拡張し、その系としてHunziker-Machiavelo-Park(2004)の問題を肯定的に解決した。証明には楕円曲線を利用した。(2)核空間の次元をチェビシェフ多項式で表す公式を予想し、証明に成功した。応用として次元の間の新しい関係式を発見し、あるいは既知の関係式の別証明を与えた。(3)また別の系列として完全グラフのデカルト積を考察し、ラプラシアンの力学的振舞を数論的に記述した。(1),(2),(3)いずれも論文を学術雑誌に発表し、また(1),(2)については口頭発表を行なった。もう一つの目的であるラマヌジャングラフの研究については基礎的考察にとどまり結果の創出には至らなかった。 本来の研究目的のために培った知見を数論の他の問題に応用し多くの結果を得た。(4)研究代表者はチェビシェフ多項式と双子素数に関するHumphriesの結果を第3,4種チェビシェフ多項式を用いて整理し、また一連の予想のうち二つについて反例を発見した。(5)研究代表者は第1,2,3,4種チェビシェフ多項式の終結式の計算を行なった。(6)研究代表者は(4),(5)の結果を円分体の最大実部分体の研究に応用できることを発見した。(7)研究分担者は有限体の等長埋め込みを考察し、特に標数2の場合にその特徴付けを行なった。(8)研究分担者は類体塔のガロア群に関する考察を行なった。論文については(4),(7),(8)は学術雑誌に発表、(5)は学術雑誌に掲載決定、(6)は現在準備中である。また(4),(7),(8)については口頭発表を行なった。
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