2013 Fiscal Year Research-status Report
リーフポセットに関連した表現論的組合せ論とその周辺
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23540017
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80283943)
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Keywords | hook length poset / d-complete poset / leaf poset / 行列式 / 超幾何級数 / Askey-Wilson 多項式 |
Research Abstract |
ある種の母関数が q 整数の積の形で表せる順序集合(poset)は hook length poset と呼ばれ、目に見える形で定義された hook length poset として、現在知られている最も大きなものは、6 種類の系列として定義される leaf poset である。hook length poset の構成法の確立と組合せ論的特徴付け、leaf poset の拡張と組合せ論的及び表現論的意味付け、周辺分野の数学的対象(対称関数、超幾何級数、行列式、Pfaffian、直交多項式等)の解析を目的とした研究を行い、本年度は主として下記の結果を得た。 ・multivariable hook length poset から multivariable hook length poset を構成する新しい方法が得られた。この方法を利用することにより、前年度に得られた新しい multivariable hook length poset の系列は basic leaf poset の一つである Ginkgo を出発点として得られる hook length poset であることが分かり、さらに同種の系列が他の 5 種類の basic leaf poset に対して存在することも分かった。 ・琉球大学の石川雅雄氏と共同研究を行い、Gram determinant について Wilson が 1991年に得た結果を、Krattenthaler 型の行列式(任意の行及び任意の列)に拡張した。さらに、石川氏、華東師範大学の Victor J. W. Guo 氏、リヨン大学の Jiang Zeng 氏との共同研究により、Wilson の結果の証明にも利用できる q 超幾何級数の quadratic formula が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい multivariable hook length poset の構成法を発見することにより、leaf poset の亜種となる新しい multivariable hook length poset を発見することができた。また、Hankel 行列に対するこれまでの結果の拡張となる等式と新しい q 超幾何級数の等式が得られた。これらの結果は今後の研究の進展に大いに寄与すると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果をさらに進展させる。具体的には次となる。 ・新しい multivariable hook length poset の系列と新しい構成法の作成。 ・行列式、Pfaffian、超幾何級数を含む周辺分野の解析をさらに行い、leaf poset が hook length poset であることの統一的証明につなげる。
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Research Products
(4 results)