2012 Fiscal Year Research-status Report
不定方程式及び生成多項式を用いた代数体のイデアル類群の研究
Project/Area Number |
23540019
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
岸 康弘 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60380375)
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Keywords | イデアル類群 / 類数 / 不定方程式 / 連分数 |
Research Abstract |
本研究は、生成多項式及び不定方程式の分析により、ある種のイデアル類群を持つような代数体の構成を目的としている。本年度は以下に述べる成果があった。 1.「4を法として3と合同な素数pに対し、イデアル類群のp-rankが2以上となるようなp-1次の虚巡回体の無限族を明示的に構成する」という結果が、Publ. Math. Debrecen vol.81 (2012)に掲載された。この結果は、研究代表者が徳島大学の片山真一氏との共同研究として、4を法として1と合同な素数pに対して与えた同様の結果(Tsinghua Sci. Technol. vol.12 (2007)に掲載)の類似となっている。 2.昨年度、福岡教育大学の田尻彩華氏、吉塚健一郎氏との共同研究により、4以上の任意の自然数nに対して、周期nの極小型自然数の無数の存在性を明らかにした。この研究を進展させ、本年度は学習院大学の河本史紀氏、名城大学の冨田耕史氏と連携して、『末尾急増型』と呼ばれる連分数展開に現れる部分商に関する性質を定義し、末尾急増型の連分数展開を持つような2次無理数の持つ性質やその構成法などの研究を行った。その結果、与えられた整数以上の類数を持ち、かつ末尾急増型の連分数展開を持つ2次無理数から作られる極小型実2次体の無限族を6以上の各偶数周期毎に与えることに成功した。この結果について、いくつかの研究集会で口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度と同様、いくつかの不定方程式に対して解くことができずに滞っている問題がある。しかしながら、連分数を用いた手法により、一定の定数以上の類数を持つ実2次体存在など想定外の結果がいくつか得られているため、全体としてはやや遅れているという評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
不定方程式の研究が滞っているため、今年度も不定方程式の研究に重点を置きたいと考える。このことについては、ハリスチャンドラ研究所のK. Chakraborty氏との連携を図る予定である。さらに、学習院大学の河本史紀氏、名古屋大学の鈴木浩志氏、名城大学の冨田耕史氏との共同研究により、実2次体のいわゆる『類数1問題』に関連する問題に取り組んでいく。 また、情報収集のため研究集会「第8回福岡数論研究集会」を九州大学の金子昌信氏、権寧魯氏と共同で開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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