2012 Fiscal Year Research-status Report
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23540023
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
兼田 正治 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60204575)
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Keywords | 国際研究者交流 仏蘭西 / Frobenius splitting / Loewy series / G_1T-Verma modules |
Research Abstract |
先ず,当該年度に発表されたGros博士との共著 Contraction par Frobenius de $G$-modules, Ann. Inst. Fourier (Grenoble) 61 (2011), 2507-2542 について述べる。発行年は2011となっているが,2011-12年度という意味であるらしく,実際の出版は2012年5月であった。正標数のflag varietyの構造層は,そのFrobenius direct imageのdirect summandになっているという,1985年のMehtaとRamanathanによる発見は,標数に係わらずflag variety上の幾何学に於いて画期的なものであった。一方,正標数の半単純群G上でFrobenius射がsplitすることはない。しかしながら,我々の論文では,Gに付随するalgebra of distributions Dist(G)上のFrobenius射がsplitすることを発見した。上記flag varietyの構造層のsplittingは,KumarとLittelmannの方法に沿ってしかしより自然に,我々のsplittingを用いて説明できる。更に,LittelmannによるGのWeyl加群のFrobenius contractionが任意のG加群において可能になり,これはGの新たな表現の構成法を与える。 次に,Homomorphisms between neighboring $G_1T$-Verma modules, Contemp. Math. 565 (2012), 105-113では,G_1T-Verma加群間のhomomorphismを調べることによって,G_1T加群のLoewy seriesに関する予想を裏付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5月にGros博士を招聘し,上記Dist(G)上のFrobenius splittingの理解を深めることが出来た。 継続した課題である,flag varietyの構造層のFrobenius direct imageに関する研究でも それに伴うG_1T加群のLoewy seriesの構造について自らの予想を裏付けることが分かった。 8月にはSao Paulo大学にFutorny教授を訪ね今後の連携について話し合えた。
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Strategy for Future Research Activity |
一昨年度のJuteau博士招聘による講演や,昨年度の阿部博士との共同研究でも実感されたが,graded representation theoryや,perverse sheavesを用いる手法が益々重要になってきている。これらの方法を修得するべく精進したい。 また,継続して取り組んでいるflag varietyの構造層のFrobenius direct imageの解明は,他の研究者による関連する結果が様々生まれて来つつあるようである。これらについても参考にするべく注視したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記新手法の修得や関連する研究には,多くの文献に当たり国内外の専門家から学ばないと行けない。研究費はその為の書籍や旅費に使用する積もりである。
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Research Products
(4 results)