2012 Fiscal Year Research-status Report
ゼータ関数・テータ関数の挙動解明と多変数超幾何関数論
Project/Area Number |
23540025
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桂田 昌紀 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90224485)
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Keywords | 多変数超幾何関数 / 漸近展開 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
1. 一般化 Epstein ゼータ関数の完全漸近展開:計画調書・研究目的・項目 A2) にて定義した Epstein ゼータ関数を,Lerch ゼータ関数様に拡張した,一般化 Epstein ゼータ関数に対して,複素上半平面のパラメタ $z$ の虚部 $y=\Im z\to+\infty$ となるときの完全漸近展開を導いた.この結果から,一般化 Epstein ゼータ関数に関して,(1) 擬保型性を用いて,パラメタ $z$ が $z\to0$ となるときの完全漸近展開が導けることを始めとして;(2) 古典的に知られている Kronecker の第1・第2極限公式の統合的導出および表現;(3) 全ての整数点における (2)に述べた公式に類似な明示式の発見など,種々の新たな知見が得られた.成果の詳細は``Complete asymptotic expansions associated with Epstein zeta-functions II" として纏められ現在欧文学術雑誌に投稿中である. 2. 2変数(2重)正則 Eisenstein 級数の変換公式と漸近展開:計画調書・研究目的・項目 A2) にて定義したの2変数 Epstein ゼータ関数と同様な,2つの複素上半平面のパラメタ $(z_1,z_2)\in\mathcal{H}^2$ を含んだ,2変数(2重)正則 Eisenstein 級数に関して,$z_j$ $(j=1,2)$ が適当な条件を満たしつつ上半平面を $z_j\to\infty$ となるときの完全漸近展開を導いた.結果は現在欧文学術雑誌に投稿準備中である. 3. Lerch ゼータ関数に付随した多変数超幾何型母関数:計画調書・研究目的・項目 A1) に記した研究テーマから派生した研究対象として,標記した新たな母関数のクラスを発見し,現在結果の速報を執筆中.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画調書・研究目的・項目 A2) に記した方向の解明が予定より良好な進捗を見せている.他方,項目 A1) のテーマについて,解明そのものの困難性や,主対象である Shintani ゼータ関数の解析が困難であるために,この方面の究明は,テーマ A2) に比してやや緩慢となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,やや進捗の緩慢である,計画調書・研究目的・項目 A1) のテーマについて,重点的に解明を行い,これに同時並行する形で,項目 B) のテーマの究明にも着手する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度同様,研究打ち合わせ旅費として,全研究経費の主要部分を支出したいと考えている.
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Research Products
(7 results)