2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540026
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
五味 靖 上智大学, 理工学部, 准教授 (50276515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筱田 健一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053712)
中島 俊樹 上智大学, 理工学部, 教授 (60243193)
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Keywords | 岩堀ヘッケ環 / 鏡映群 / マルコフトレース / ガウス和 |
Research Abstract |
数論で扱われる通常のガウス和は、有限体上の乗法的指標と加法的指標の値の積の和として表示される。一般の有限群上においても、加法的指標の類似物を与えることによって、上の解釈を拡張して、ガウス和を定義することができる。筱田健一氏、前田大貴氏との共同研究において、有限コクセター群や複素鏡映群G(r,p,n)上のガウス和の値がすべて決定されている。 一昨年度から昨年度にかけては、この研究成果を踏まえて、A型岩堀ヘッケ環上のガウス和を、対称群上のガウス和のq類似として構成し、さらにガウス和に付随して定まるトレース関数の標準基底における値を決定した。このトレース関数は、A型岩堀ヘッケ環上のマルコフトレースとインデックス指標を用いて記述されるという、興味深い結果も得られた。 当該年度は、昨年度から継続してB型岩堀ヘッケ環上のガウス和の構成に向けて研究した。B型岩堀ヘッケ環の拡張である有木小池代数やqシューア代数の表現論に詳しい澤田伸晴氏との共同研究を通して、成果を挙げるべく努力していたが、期待されるような研究成果は得られなかった。A型のときと同様にB型のときも、ガウス和がマルコフトレースやインデックス指標と密接な関係を持つはずと期待して研究を進めたが、思ったような結果は得られていない。また、A型岩堀ヘッケ環上のガウス和とマクドナルド多項式の間に何か面白い関係はないかと考えて研究したが、期待されるような研究成果は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度はA型岩堀ヘッケ環上のガウス和とマクドナルド多項式との関係について何らかの結果を出したかったが、特段の研究成果は得られなかった。また、B型岩堀ヘッケ環上のガウス和を定め、さらにガウス和に付随して定まるトレース関数の標準基底における値を決定することも目標としていたが、その目標も果たすことはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、B型岩堀ヘッケ環上のガウス和の具体的な構成および値の決定について研究していく。並行して、A型岩堀ヘッケ環上のガウス和とマクドナルド多項式との関係についても研究していきたい。また、オリジナルのガウス和が持っている様々な性質が、ワイル群上のガウス和や岩堀ヘッケ環上のガウス和において、どのように拡張されるかを研究し、拡張されたガウス和がガウス和と呼ぶにふさわしいことを確かめていきたい。 研究が順調に進むように研究分担者中島俊樹氏や共同研究者の澤田伸晴氏と密に連絡を取り合い、必要に応じてセミナーを開くなどする。本研究課題に深い見識を持つ様々な研究者と交流を持つために、研究集会に参加したり、研究者を招聘して研究打合せを行うなどして、研究課題を推進するためのヒントを得ていく。また、数値計算に必要なコンピューターやソフトウエアを充実させて、研究を順調に進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
体調不良により、参加を予定していた複数の研究集会に参加することができず、繰越金を生む結果となった。 他の研究者と研究課題に関する議論を交わすため、研究集会に参加したり、研究者を招聘したりする。また、研究成果が得られ次第、学会や研究集会で発表したい。このように研究に関する交流のために、研究費を有効に使っていきたい。
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