2013 Fiscal Year Annual Research Report
実解析的アイゼンシュタイン級数を含む多重級数の研究
Project/Area Number |
23540032
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野田 工 日本大学, 工学部, 准教授 (10350034)
|
Keywords | アイゼンシュタイン級数 / Mellin-Barnes変換公式 / 風洞壁干渉計算 |
Research Abstract |
Barnes型の二重Eisenstein級数のFourier級数型変換・漸近公式とその応用として特殊値等の表示式に関する成果を得た。現在,格子点上の特殊値についての明示公式の導出が桂田昌紀氏と共同研究で進行中である。ここではRamanujanに始まるq-級数や楕円関数と関係することが判明しつつある。研究の出発点として古典的なLipschitzの公式の二重化が必要であるが,その証明は最も広く用いられている調和解析を用いる代わりに,Mellin逆変換型(Barnes型)の積分変換公式を援用するものである。 また上記研究成果の発展・応用として、航空力学における空力干渉計算に現れる二重級数の数値計算への応用を与えた。低速風洞干渉計算の理論構成にはPrandtlによって構築された風洞壁干渉の算定方法が用いられる。これを矩形断面に適用して二重級数の急減少変換公式を導出したGlauert (1926年頃)の結果,およびOlver (1949年)によって与えられた尾翼干渉に出現する二重級数の急減少変換公式を考察した。本報告者はGlauertおよびOlverの変換公式が正則,非正則 Eisenstein級数のFourier級数型展開式のそれぞれ類似であることを看取し,これら空力干渉計算に現れる二重級数を含むEisenstein級数を定義した。さらに多重ゼータ関数における視点に立ち,Fourier級数型展開式(急減少変換式)をMellin -Barns型積分を経由して導出した。 一方,尖点形式の多重化を視野に入れ,本報告者は特殊関数を係数にもつ一変数尖点形式に関係するゼータ関数を新たに定義した。このゼータ関数に対して,積分表示,関数等式,およびRamanujan型のRiemannゼータ関数の母関数表示等を導出した。
|
Research Products
(5 results)