2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540035
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (10088403)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | APN関数 / 線形空間の交代積 / 置換群 / semifield |
Research Abstract |
この研究課題における研究の最終目標の一つは標数2のGF(2)上n次元有限体Fに対しF上のQuadratic APN関数で非同値なものをすべて求めることにある。その目的は遠大である。Fの交代積Vを考え、r=n(n-3)/2とおき、Vのr次元部分空間でnonzero pure vectorを一つも含まないものの集合をS(NP,r)とする。置換群(GL(F), S(NP,r))の可遷域の一つ々とF上のQuadratic APN関数の同値類の一つ々が対応することがこれまでの研究で示されている。M:=|S(NP,r)|の値が評価できれば、F上のQuadratic APN関数の非同値なものの個数の下限が求まる。Mの評価式として、下記の二つの式を得た。M=s(0)-s(1)+s(2)-s(3)+・・・+s(p)(pが偶数), M=s(0)-s(1)+s(2)-s(3)+・・・-s(p)(pが奇数)で, s(i)=a(0)d(i,0)+a(1)d(i,1)+a(2)d(i,2)+・・・+a(i)d(i,i).ここで、a(t)はすぐ計算できる値であり、d(i,t)は相異なるnonzero pure vector u(1),u(2), ・・・,u(i)が張る部分空間の次元がtとなるようなu(1),u(2),・・・,u(i)の取り方の数を表す。pは零でないpure vectorsの個数である。これからの目標は各iとtに対し、d(i.t)を詳細に評価することである。n=4,5に対して,計算ソフトMagmaを使用してd(i,t)の値は求まっている。現在n=6に対して計算中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
標数2の有限体上のQuadratic APN関数の個数(同値なものを同一視)の下限の値を評価する目標に対しては大体半分ぐらいは達成されている。来年度は母関数を利用して最終段階に迫る。標数が奇素数の有限体に対する研究がはかどっていない。平面関数から得られるcommutative semifieldsの構造を多方面から突き詰め、その全特徴を把握して,逆にそのような特徴をもつcommutative semifieldから平面関数が構成できること、更に平面関数とcommutative semifieldの対応を考えるとき、それらに導入する同値関係で最も妥当なものは何かといった研究を精力的に進める。
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Strategy for Future Research Activity |
GF(2)上n次元の有限体Fに対し、Fの交代積Vのr(r=1,2,3,・・・)次元部分空間でpure vectors を丁度i個ふくむようなものの個数をa(r,i)とする。a(r,i)を母関数を用いて評価したい。まずn=4,5,6,7までMagmaを用いて全てのa(r,i)達を求め、どのような母関数を考えると効果的であるかを考察する。標数2のcommutative semifieldの各元を3乗する関数をアレンジした関数から標数2の有限体上のAPN関数を構成する。標数が奇素数のcommutative semifieldの平方写像と標数が奇素数の有限体上のquadratic planar functionの関係を余すところなく詳らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の残高288908円と次年度の予算400000円の合計688908円に対し、海外の研究集会に参加し研究連絡と情報収集するための旅費に350000円使用する。また国内の研究集会に参加し情報収集するための旅費に150000円使用する。更に課題研究を達成するために図書購入及びバージョンアップされた計算ソフトMagmaの購入のために188908円を使用する。
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Research Products
(3 results)